IDC Japan(IDC)は2月1日、製造業の企業間データ連携に関する調査結果を発表した。調査の結果、今後国内の製造業において、カーボンニュートラルの実現に向けた、サプライチェーンにまたがる企業間データ連携が進むと、IDCは予測している。

同社は製造業のデータ連携で今後、特に重要になる分野として、「カーボンニュートラル」「生産計画の精緻化」「トレーサビリティ」などを挙げる。中でも今後、取り組みが加速すると見込まれるのが、カーボンニュートラル実現のためのサプライチェーンをまたがるデータ連携とのこと。

  • 製造業のサプライチェーンにまたがるデータ連携で今後重要になる分野とその背景

    製造業のサプライチェーンにまたがるデータ連携で今後重要になる分野とその背景

その主な理由の一つが、欧州などで進んでいるCO2排出量などに関する情報開示の義務化への動きという。GHG(温室効果ガス)プロトコル スコープ3基準に対応するには、自社製品の生産におけるCO2排出量を算定し、そのデータをサプライチェーンの他の企業と共有する必要がある。

企業間のデータ連携は企業内のデータ連携に比べて実現の難易度が高いが、規制強化をトリガーに、多くの企業が参加するデータ連携プラットフォームの構築が進むと同社は考える。

IDC Japan Infrastructure & Devices リサーチマネージャーの小野陽子氏は「国内では、欧州などに比べて、国レベルでのデータ連携基盤への取り組みが遅れている。日本政府および国内主要製造業は、カーボンニュートラル実現などに向けたデータ連携基盤の構築を急ぐべきである」と述べている。