短期間でのクラウドシステム開発に苦心
--「アル検くん」の開発にあたり、どんな点に苦労されましたか?--
保坂氏: 当初は10月の義務化にあわせたサービスリリースをマストとしていたので、実際に開発に費やせる期間が半年しかなく、短期間での開発を余儀なくされました。われわれとしてもチャレンジングな取り組みではありましたが、クラウドの時流に乗って、サーバなしで短期間にシステムを構築する方針としました。
また、今回のような大々的にB to Bのサービスを広範囲に提供する取り組みは、当社ではこれまであまりなかったので、法務や知財・ITといった領域での調査や調整も必要でした。これらの点をクリアしながら半年でリリースまでこぎつける必要があったので、大変でしたね。
藁科氏: アプリケーション開発チームとクラウド構築が可能なインフラSEチームが社内体制にあるため、連携しながら開発ができたことは当社の強みだったと思います。社内の組織体制が昨年から変わり、組織をまたいだ横の連携がしやすくなったこともプラスに働きました。
今後は中小事業者のDX支援も視野に入れながらサポートを
--「アル検くん」をリリースされたばかりですが、今後の展望についてお聞かせください--
藁科氏:飲酒チェックの義務化が延期されたのを準備期間と捉え、改めて「アル検くん」の効率性や利便性を周知していく予定です。まずは、お客様に実際に使ってもらうことを直近の目標としています。
また、お客様から「このような機能が欲しい」という要望も既にいただいています。運転日誌の記録、車両の点検の記録なども義務化されていますが、これらを手で管理している事業者が多いです。現在のサービスは飲酒チェックに特化していますが、ゆくゆくは白ナンバー事業者のこうした業務も、当社のサービスで電子化してサポートしていきたいと考えています。
--今、まさに国を挙げて推進している「DX(デジタルトランスフォーメーション)」といえますね。DXまで手が回らない中小企業も多いと思うので、サポートしてくれる企業がいると心強いと思います--
保坂氏: DXなんて不要とおっしゃる方もいますが、まずは「アル検くん」を入口として、徐々に変えていきたいです。DXへの第一歩として、我々もロードマップを描きながら推進していこうと思います。