正月太りをきっかけに始まった「kintoneで筋トレ」連載も、今回で第5回目。いよいよ最終回だ。kintone、そしてkintoneに搭載されたAIを活用して、これまで筋トレとダイエットを継続してきた。

今回はその集大成として、これまでのAI活用を振り返りつつ、筆者が出場したハーフマラソン大会の様子についてお届けしたい。

なお、本連載でこれまでベータ版の「kintone AIラボ」として紹介してきたAI機能は、2026年6月から「kintone AI」として正式提供が開始される。

  • 「kintone AI」の正式提供を開始する

    「kintone AI」の正式提供を開始する

初心者でもできたkintone AIでのアプリ作成

連載開始のきっかけは、正月に地元に帰り、地元のおいしい料理をたらふく食べ、日本酒をたらふく飲んだことが始まりだった。いつも憂鬱な気分で受けていた健康診断に別れを告げるべく、過去に何度も諦めてきた筋トレとダイエットを継続するためのアプリ開発に着手した。

kintoneで「アプリ作成AI」を選択すると、アプリ作成画面上で新しいウィンドウが立ち上がり、AIとのチャットが開始される。ここに作りたいアプリのイメージを入力すると、AIと対話しながらアプリのイメージを具体化できる。

必要な項目や情報が不足している場合には、AIから「ここはどうしますか?」と質問が返ってくる。そのため、最初からアプリの完成形がイメージできていなくても、AIと一緒にアプリを作り始められる。

  • 「アプリ作成AI」利用の例

    「アプリ作成AI」利用の例

kintoneに蓄積したデータの分析もAIなら"ワンクリック"

第2回ではアプリに入力したデータをグラフ化したほか、「レコード一覧分析AI」を使ってみた。

レコード一覧分析AIはアプリ作成AIと同じように、チャット形式でレコードのデータを要約または分析できる機能だ。チャット画面が立ち上がると、最初から「要約レポート作成」「特徴およびトピック分析」「注目レコード抽出」のボタンが用意されているため、これを選ぶだけでもデータ分析を開始できる。

  • レコードをグラフ化

    レコードをグラフ化

レコード一覧分析AIは蓄積したレコードを振り返って分析するだけでなく、注目すべき特徴的なレコードの抽出や、新たなアクションの提案まで可能だ。

例えば営業活動の週次レポートをkintoneに蓄積していけば、レコード内容から「商談の回数を増やす」や「クロージングの質を向上させる」など、具体的な改善のためのアクションが得られる。筆者はここで、さらにダイエットを継続するためのヒントをAIに相談した。

  • 「レコード一覧分析AI」との対話の例

    「レコード一覧分析AI」との対話の例

Voicy配信にも広がったkintone AI活用

第3回では視力の低下を契機に開始したTECH+のVoicyチャンネルについて、音声配信の台本作りや収録に役立つアプリを作成した。ここでもアプリ作成AIを使い、チャットでAIに依頼しながら管理アプリを作成。

さらに、レコード一覧分析AIを使って、配信したコンテンツの内容と再生回数から今後の方向性や具体策を探ってみた。

  • Voicyの取り組みにもkintoneのAI機能を使ってみた

    Voicyの取り組みにもkintoneのAI機能を使ってみた

AIの提案によって得られたアクションの中から、「タイトルの改善」「ビジネスインパクトの大きい決算情報を優先的に配置」「ゲスト出演による専門性と話題性の向上」など、実際の改善につながっている例もある。

初めてでもできたAIによるワークフロー設計

前回の第4回は風邪をひいてしまい体重減少は停滞していたものの、「プロセス管理設定AI」でVoicy収録の業務効率化をAIに効率化してもらった。

kintoneアプリでワークフローを設定することで、申請や承認といった一連の業務プロセスをアプリ内で完結できるようになるため、Voicyを配信するための台本と収録した音声を上司が確認する過程を、それぞれ設定した。

ワークフローの設定に慣れていない場合でも、AIが不足している情報を聞き返してくれるため、AIと対話する中で次第に適切なワークフローを構築できる。AIが作成した「おすすめの設定案」をユーザーが承認すると、実際にアプリに反映される。

  • AIとの対話でワークフローまで構築できる

    AIとの対話でワークフローまで構築できる

AIだから続けられた(?)、3カ月で6.2キロ減のダイエット

体重を減らすことを目的にAIと一緒に取り組んできた今回のダイエット企画。途中から筋トレよりも走ること自体が目的になってしまったような気がするが、そこは目をつぶっていただきたい。

体重の推移を見てみると、4カ月間で少しずつ減少している。最初の2~3カ月は特に食事に気を使っていなかったのだが、ハーフマラソンに申し込んで以降は多少なりとも食事も気を付けたため、以前より減少幅が大きいようだ。

  • 企画開始からの体重の推移

    企画開始からの体重の推移

取り組みの後半ではAIに作成してもらった練習メニューに従い、脚のトレーニングを目的としたスクワットも取り入れてみた。AIによる分析の結果が以下の通りだ。

  • 「レコード一覧分析AI」による分析の結果

    「レコード一覧分析AI」による分析の結果


# 健康管理データ分析レポート

## 概要

本レポートは、2026年2月2日から2026年5月10日までの約3ヶ月間における熊谷知泰氏の体重、体脂肪率、運動記録を分析したものです。記録期間中、合計67件のデータが収集され、体組成の変化と運動習慣の傾向が明確に示されています。

## 主要な指標の推移

**体重の変化**

開始時81.4kgから最終測定時75.2kgへと、約6.2kgの減量に成功しています[1][67]。2月初旬は81~82kg台でしたが[1][2][3]、3月中旬以降は78~79kg台で安定し[28][31][32]、4月下旬から5月にかけて75~77kg台に到達しています[60][66][67]。

**体脂肪率の改善**

開始時24.1%から最終的に21.0%まで、約3.1ポイントの減少が見られました[1][67]。2月は23~24%台[1][2][4]、3月は22~23%台[19][22][26]、5月には21%台前半まで改善しています[66][67]。

## 運動習慣の分析

**ランニング実績**

期間中、合計60回以上のランニングが実施されており、距離は3kmから15kmまで多様です[6][67]。特に4月中旬以降は10km以上の長距離走が増加し、最長15km(102分)を記録しています[49][53][67]。平均ペースは約6~7分/kmで推移しています[34][63][65]。

**筋力トレーニング**

ベンチプレスは60kg×5回から開始し[4][10][16]、最終的に80kg×3回まで向上しました[52][55]。補助種目として懸垂、スクワット(50~55kg)、腕立て伏せ(20~40回)が定期的に実施されています[3][7][14][26][35][52][55][58]。

## 特記事項

3月31日から4月4日にかけて風邪による体調不良(37.5℃の発熱)があり、この期間は運動を控えています[40][43]。回復後は徐々に運動を再開し、その後順調に減量とトレーニング強度の向上を継続しています[46][47][48]。

## 結論

約3ヶ月間で体重6.2kg減、体脂肪率3.1ポイント減という明確な成果が確認できます。ランニングと筋力トレーニングを組み合わせた計画的なアプローチにより、持続的な身体改善が実現されています[1][67]。特に4月中旬以降は運動強度の向上と体組成の改善が同時に進行しており、効果的なトレーニングプログラムとして評価できます[52][55][63][67]。

kintoneを使えば"シュシュッと"業務改善アプリを作れるし、多少は体型も"シュッと"するのだ。これを言いたいがために始めた連載だ。無事に結果が出てよかった。

AIと共に挑んだ福島ハーフマラソンで見えた成果

そんな中、5月に開催された福島シティハーフマラソンに参加してきたので、当日の様子も紹介してみたい。開催時期が本企画にちょうどよかったのと、以前の取材で福島県の魅力に触れた経緯から、参加を決めた。

5000人以上が参加したという今大会、スタート地点から熱気があふれていた。想定タイムの早い人から前方に並べるのだが、制限時間内の完走が目標の筆者は当然ながら最後方。決して、飯坂温泉の宿が快適すぎて会場の到着がギリギリだったわけではない。宿で食べたラジウム玉子がおいしかった。

スタート地点ではアテネ五輪女子マラソン金メダリスト野口みずきさんと福島市長の馬場雄基さんがランナーを見送っていた。ちなみに、この日の予想最高気温は31度。

  • スタート地点に立ち、「企画とはいえマラソン大会に申し込むんじゃなかったな」と「ここまで来たら走るしかないよな」の気持ちが半分ずつ

    スタート地点に立ち、「企画とはいえマラソン大会に申し込むんじゃなかったな」と「ここまで来たら走るしかないよな」の気持ちが半分ずつ

この大会の最大の魅力は、沿道の応援だろう。地元の高校生によるダンスや応援、方木田稲荷太鼓が背中を押してくれる。途切れることのない地域住民の応援も力に変わる。

  • 方木田稲荷太鼓

    沿道の方木田稲荷太鼓

そしてもう一つ、福島銘菓「いもくり佐太郎」も最高なのである。コースのおよそ半分を走った地点で食べるいもくり佐太郎は、もはやこれを食べるためにここまで走ってきたのだと錯覚すら覚える。

  • 福島銘菓「いもくり佐太郎」を食べるためなら来年もエントリーしたい」

    福島銘菓「いもくり佐太郎」を食べるためなら来年もエントリーしたい

走りながら考えた業務改善とダイエットに共通する「積み重ねの力」

15キロメートルを超えると、いよいよ疲れもピークになってくる。足も思うように前に進まない。

走りながら、Cybozu Days 2025の基調講演を思い出す。サイボウズの青野慶久社長と、関西電力のIT戦略室長を務める上田晃穂氏との対談だ。

上田氏は「日本の伝統的な企業のスタイルはフルマラソンの走り方に似ている。ゴールやコースを事前に設定し、ペースを守りながら走り切るようなもの。対して関西電力が目指すのは、100メートル走を422回走るようなスタイル」と話していた。

筆者は脳内で「いや、どっちもキツすぎるだろ」とツッコミを入れる。ただ、いずれにせよ大事なのは、42キロメートルを走り切る体力と、そこに向かう意思だ。その体力と意思は本番のレース中に突然手に入るものではない。長距離を走り抜く力も、短距離を駆け抜ける力も、日々の練習の中でしか養われない。

  • 終盤は阿武隈川を見下ろしながら進む

    終盤は阿武隈川を見下ろしながら進む

レースも終盤、次の一歩が非常に重い。この一歩を踏み出すのは、正月太りを何年も繰り返してきた自分であると同時に、数カ月間自身の体力と体重計に向き合ってきた自分でもある。業務改善も同じで、過去の非効率な仕事や試行錯誤を否定するのではなく、その上で改善を重ねることで前進できるのだろう。

そこにAIを組み合わせれば、勘や経験ではなく、客観的なデータに導かれた改善余地が見出される。日々の小さな改善に要する負荷も軽減され、意思決定と実行の速度も増していく。

筆者はkintoneのAI機能を触ってみたことで、連載開始当初からは思いもかけなかったような景色を見る結果となった。ゴールしてみれば、筋肉痛は残ったものの、後悔は残っていない。多くのビジネスパーソンが趣味としてマラソンの魅力に取りつかれる理由を少しだけ理解できた気がする。

思わず"ハイ"になってしまい、次は秋に開催予定のフルマラソンにエントリーしてしまったのだが、それはまた別の話。

  • 無事にゴールできた

    無事にゴールできた