多国籍情報プロバイダーである英Informaの半導体およびディスプレイ市場動向調査部門(ブランド名:Omdia)によると、2022年第2四半期(4-6月期)の半導体市場総売上高は、前四半期比1.9%減の1581億1300万ドルにとどまったという。
同四半期の売上高トップはSamsung Electronicsで、5位のMicron Technologyまでは第1四半期から変動はない。トップ10社中には日本企業の姿は見えず、日本企業のトップは16位のルネサス エレクトロニクスとなっており、トップ20社まで見ると、ルネサスのほか、17位にキオクシア、18位にソニーセミコンダクタソリューションズが入っており、ついにルネサスがキオクシアを抜き、日本最大の半導体企業となった。また、ソニーセミコンダクタソリューションズについては、米国の対中制裁の影響で、Huaweiのハイエンドスマートフォン向けCMOSイメージセンサビジネスを失った影響により、売り上げを減らし、トップ20圏外に消えるのか、それともApple iPhone 14シリーズのハイエンドモデルの増産や新市場の開拓によって、順位を上げてくるのかが注目される。
トップ20社中、前四半期比でもっとも成長率が高かったのは15位のAnalog Devices(ADI)で同9.0%増で、そこに3位のSK Hynixと19位のonsemiが同8.6%増で続いている。一方、もっとも成長率が低かったのは2位のIntelで、PC分野での不振が響き同16.6%減となったほか、Appleが同16.5%減、キオクシアが同16.4%減と16%台のマイナス成長を記録した。
これら売上高ランキングトップ20社の売上高合計は、同1.9%減の1219億1000万ドルで、半導体市場の総売上高の77%を占めた。
なお、Omdiaにて半導体コンサルティングディレクタを務める杉山和弘氏は、最近の世界半導体市場の状況について、「半導体市況は潮目が変わってきており、急激にスローダウンしてきている。ただ、2022年第2四半期までの結果は、前年同期(2021年第1-2四半期)比で15%増と悪くない状況だった。民生市場を除き、コンピューティング、通信、産業、自動車など多くのセグメントでプラス成長となっており、半導体不足の影響が改善してきている結果と思われる。ただし、第3四半期以降は産業、自動車以外はかなり厳しくなると見ている」と述べている。