OKIは9月27日、サービスロボットやウエアラブル機器、AGV/AMRなどのエッジデバイスと人を現場で柔軟に協調させることを可能とするリモートDXプラットフォーム技術「REMOWAY」を開発したこと、ならびに2024年~2025年を目標に社会実装を目指すことを発表した。

エッジ活用の現場でリモートDXを実現することを目指して開発

サービスロボットをはじめとするエッジデバイスに搭載されるクライアント向けREMOWAYと、クラウド側でそれらエッジデバイスのさまざまな制御を行うサーバ向けREMOWAYで構成されるプラットフォーム。クライアント側のエッジデバイスには「デバイスエージェント」を、何らかの方法で搭載することでサーバ側とのやり取りが可能となる。何らかの方法というのは、現状の接続プロトコルはHTTP/MQTTといったシンプルなものを採用することで、パートナーでも扱えるようにしており、仕様をパートナーに公開して、それに併せた形で開発をしてもらう方法や、既存のサービスロボットの場合はAndroidベースであればアプリケーションとして提供したり、接続のためのハードウェア(OKIのエッジモジュール「ROMBOX」など)を後付けしたりといったさまざまな方法が現段階では考えられるとしており、業界標準の共通インタフェースを構築する可能性についても指摘している。

  • REMOWAYのアーキテクチャ構成

    REMOWAYのアーキテクチャ構成。各種業務に必要な行動を把握したうえで、それをこなすアクションをプランニング、そのために必要なエッジデバイスの機能を各種モジュールによって制御する。エッジ側はデバイスエージェント経由でこれらの指令を受け取り、それを現場でこなしていくことになる

また、まだ開発段階で商用段階にまで至っていないためビジネスモデルも固まりきっていないが、OKIが開発した各種の制御に必要な機能モジュールだけに限らず、オープンイノベーションの観点からパートナーと協力して、付加価値の向上を目指していける仕組みを検討していきたいとする。

  • REMOWAYの特徴
  • REMOWAYの特徴
  • REMOWAYの特徴

REMOWAYのコンセプトは、IoTの活用に向けてユーザーの現場を支援するロボティクスやユーザーエクスペリエンス、センシング、インテリジェンス、ネットワークなどの技術を組み合わせ、高度遠隔運用を実現するというもの。サービスロボットなどは多くのメーカーが提供をし始めていることもあり、そのためにも共創やオープンイノベーションが重要としている。

  • “リモートDX”のコンセプト

    REMOWAYを含めたOKIの考える高度遠隔運用“リモートDX”のコンセプト

人とロボットのさらなる協調を促進

REMOWAYを活用すると、どういったことが可能となるのか。OKIが提案するのが「業務特性に合わせて人とロボット/デバイスが最適な配置で協働できるようになるため、人が介在する業務において人材リソースを最小化しつつビジネス拡大を実現することができる」というメリットとなる。

例えば現場の巡回業務では、警備員が順次、各フロアを回って、必要に応じたチェック項目リストに基づいた作業や確認を行う必要がある。しかし、現在、そしてこれからの日本は生産年齢人口に対する就業者はほぼ限界を迎え、人材不足がさまざまな業界で顕在化してくることになる。つまり、そうした巡回業務の企業が業務拡大を目指し、積極的に人材登用を行うと思ったとしても、労働人口そのものが減少しているため、増員が難しいという結果となる可能性が高い。そのような状況で、人間がロボットと協調することで、複数拠点の巡回が可能となれば、就業者の数は増えなくても事業の拡大を図ることが可能となる、という見通しを立てることが可能となる。

OKIでもすでに複数のパートナーとさまざまな領域での適用に向けた実証実験を進めているとのことで、主なターゲット領域として、「警備(機械:駆けつけ・常駐)」、「駅構内(施設監視)」、「不動産(施設監視)」、「構内自動搬送(運航監視)」、「自治体(害獣監視)」、「介護(見守り監視)」、「道路工事・建設(安全監視)」を挙げている。

  • 高度遠隔運用が求められる各分野での活用イメージ
  • 高度遠隔運用が求められる各分野での活用イメージ
  • 高度遠隔運用が求められる各分野での活用イメージ