スポーツ用品の販売を手掛けるアルペンは6月22日、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)を促進する4万3000平方メートルの大型倉庫「大口ディストリビューションセンター」(愛知県大口町)を2024年初旬に稼働することを発表した。

  • 「大口ディストリビューションセンター」外観

    「大口ディストリビューションセンター」外観

同倉庫では、村田機械の搬送機器「シャトル型自動倉庫」と、省スペースで活用できる仕分け機「クロスベルトソーター」を活用する。最新マテリアルハンドリング(物流拠点内のすべての移動にかかわる取扱い)導入による物流業務削減の省人化効果は、既存対比6割を見込んでいるという。

シャトル型自動倉庫は、保管棚の各段を走行する搬送台車が商品ケースを搬送し、入出庫装置を経由してピッキングステーションに届ける機器のこと。各段に搬送台車があるため時間当たりの入出庫能力が高いのが特長。

  • シャトル型自動倉庫

    シャトル型自動倉庫

また一定範囲内の荷姿であれば自動移載できるフリーサイズ対応で、さまざまな商品ケース対応するという。同倉庫では棚一間口に奥行2列で商品ケースを保管できる最新型のダブルディープタイプを導入し、アルペンが扱う多様な商品アイテムを高密度に保管する。シャトル型自動倉庫は全長100メートル超、シャトル型自動倉庫としては国内最大級の約 10万ケースが保管可能という。

クロスベルトソーターは、水平方向の移載にベルトコンベヤを使用した自動仕分け装置。さまざまな荷姿を安定して仕分けられるといい、時間当たりの仕分け能力が高い。

  • クロスベルトソーター

    クロスベルトソーター

これらの機器により同倉庫は、店舗までの供給リードタイムの短縮化、売場やブランド別梱包納品による店舗品出しまでの作業の簡素化、出荷物量コントロールによる庫内作業人数および配送の最適化につなげるとしている。

  • シームレスなマテハンシステムを運用

    シームレスなマテハンシステムを運用

従来の手作業によるオーダー商品のピッキング・仕分け運用に比べて、探さない・歩かない・運ばないこと、さらに出荷ケースの自動製函機や自動封緘機、自動サイズ計量器などの機器も導入する。自動化レベルの高いラインを構築し、約60%の作業工数削減を実現する見込みだ。