米NVIDIAは5月25日(米国時間)、2023年1月期第1四半期(2022年2月~4月期)の決算を発表した。それによると売上高は前年同期比46%増、前四半期8%増の82億8800万ドルと、四半期別の売上高として過去最高を更新したという。しかし、営業利益は前年同期比4%減の18億6800万ドル、純利益は同15%減の16億1800万ドルにとどまったともしている。

  • NVIDIAの四半期ごとの応用分野別売上高推移

    NVIDIAの四半期ごとの応用分野別売上高推移 (出所:NVIDIA)

事業別に見ると。データセンター向け事業が好調で、その売上高は前年同期比83%増、前四半期比15%増の37億5000万ドルと、全社の業績をけん引するものとなっている。同四半期では、次世代GPUアーキテクチャ「Hopper」を発表したほか、新しい高速・低遅延のチップ間相互接続であるNVLink-C2Cを介して2つのCPUチップがコヒーレントに接続されたArmベースの「Grace CPU Superchipが発表された。すでに台湾の大手コンピュータメーカーなどが、GraceとHopperを搭載したシステムを2023年前半にもリリースする予定であることも明らかにされている。

一方のゲーミング向けも前年同期比31%増の36億2000万ドルを達成。コンシューマGPUであるGeForce RTX30シリーズとして、の最上位モデル「GeForce RTX3090 Ti 」をリリースしたとするほか、RTX向けに最適化されたゲームタイトルの追加、GeForce NOWのライブラリ拡張なども行われたという。

プロフェッショナル ビジュアライゼーション事業は同67%増の6億2200万ドル、自動車事業は同10%減、前四半期比10%増の1億3800万ドルとなっており、中でも自動車事業は、35以上の自動車メーカー・トラックメーカー・ロボタクシー企業に選ばれ、最新世代となるNVIDIA DRIVE Orin自動運転車コンピュータの生産も開始したとする。

第2四半期はロシアと中国の影響で売上高は5億ドルの減収予想

なお、NVIDIAでは2023年度第2四半期(5-7月期)について、ロシアのウクライナ侵攻および新型コロナウィルスの感染拡大による中国の都市封鎖の影響で約5億ドルの減収となる見込みとしており、売り上げ見通しとしては約81億ドルとしている。

なお、NVIDIAの創設者兼CEOであるJensen Huang氏は、「NVIDAIの歴史上、新しいGPU、CPU、DPU、およびロボティクスプロセッサなど、最多の製品群の発表を下半期に行うべく準備を進めている。私たちの新しいチップとシステムは、AI、グラフィックス、オムニバース、自動運転車、ロボット、およびこれらのテクノロジーが影響を与える多くの産業を大きく前進させる」と今後に向けた抱負を述べている。