Slackはこのほど、同社が推進するDigital HQ(会社を動かすデジタル中枢)における働き方を紹介する「Digital HQ 体験ウェビナー」を開催した。本稿では「ハイブリッドワーク時代の新たな組織と個人の『勝ちパターン』」をテーマに行った沢渡あまね氏と、セールスフォース・ジャパン Slack事業統括 マーケティング本部 プロダクトマーケティングディレクターの伊藤哲志氏との対談をお伝えする。

沢渡氏は作家/ワークスタイル&組織開発専門家であり、自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)や組織変革を推進、働き方・組織風土を変革する力を見つけるためのオンライン越境学習プログラム「組織変革Lab」などを主宰し、これまで350以上の組織改善・改革を支援している。

対談では、今後の働き方で主流になるであろうハイブリッドワークの話や、組織がハイブリッドワークに移行する際のポイントについて議論された。

これからの働き方はどのように変化するのか

伊藤氏(以下、敬称略):これからの働き方は、どう変わっていくとお考えですか?

  • セールスフォース・ジャパン Slack事業統括 マーケティング本部 プロダクトマーケティングディレクターの伊藤哲志氏

    セールスフォース・ジャパン Slack事業統括 マーケティング本部 プロダクトマーケティングディレクターの伊藤哲志氏

沢渡氏(以下、敬称略):一言で言うならばハイブリッドワークが加速すると実感しています。

伊藤:現状では、リモートワークがもてはやされているものの、SlackではDigital HQを語る際にリモートワークのみではなく、多様な働き方を推奨しています。ハイブリッドワークが主流になっていく中で、どのように意識を変えていくべきでしょうか?

沢渡:3つのハイブリッドに企業組織も働く人も向き合っていく必要があると考えています。3つのハイブリッドとは「場所のハイブリッド」「顔のハイブリッド」「業種・職種のハイブリッド」です。これが進んでいくと思います。

伊藤:沢渡さんは、これら3つを持っているかもしれませんが、すぐに誰しもができるわけではないと感じます。その点について、深堀していただけますか?

沢渡:場所のハイブリッドは、例えばテレワークとオフィスワークなど場所にとらわれずに働くことです。つまり、場所を選ばないそれぞれの“勝ちパターン”として仕事に取り組むことが一般的になりつつあります。

顔のハイブリッドについては、私自身パラレルキャリアですが、最近では大企業でも副業を取り入れており、これまでにない能力や熱意のある人など複数の顔を持つ人をどのように組織に取り込み、組織の価値を出していくのか、ということです。

業種・職種のハイブリッドについては、FinTechやアグリテックなどがその一例です。これは、まったく違う職種、スペシャリティを持った組織・人の掛け合わせにより、新たなビジネスモデル=勝ちパターンを生み出すことに向き合える組織と、そうではない組織のイノベーション格差、コラボレーション格差はますます広がっていくと実感しています。

  • 沢渡あまね氏

    沢渡あまね氏

伊藤:多様性を個々人が持ち、多様性のあり方がハイブリッドに集約されているということですか?

沢渡:そうです。多様性に向き合うということは、多様な人材の能力や熱意などを正しく開放していくことです。正しく開放して、正しく組織に取り込み、同じ方向に向けていく。そのため、ダイバーシティ&インクルージョンとハイブリッドワーク、テレワーク、デジタルワークは不可分な考え方であり、ハイブリッドワークは多様な人材が正しく価値を出していく世の中にするためのインフラストラクチャだと思っています。