SlackとSalesforceは4月28日、現在米国で開催されているSalesforce主催の開発者向けイベント「TrailblazerDX 2022」において、新たなソフトウェア開発ツールキット(SDK)「Salesforce プラットフォーム for Slack」を発表した。これにより、開発者はSalesforceのアクション、ワークフロー、ビジネスインサイトなどの機能をSlackにシームレスに取り込むことができ、Slackアプリをネイティブに構築することを可能としている。

今回、発表したSalesforce プラットフォーム for Slackの機能は「Flow in Slack」「Apex SDK for Slack」の2つ。Flow in Slackは、ローコード開発ツールを備え、SalesforceのデータとアクションをサポートしつつSlackファーストな自動化の構築を可能としている。

また、同僚やパートナー企業と共同作業するためのSlackチャンネルの作成や、チームへのアカウントステータス送信などの手動タスクをローコード開発ツールを使用して自動化できるほか、Salesforceで複数のステップを含むガイド付きの自動化フローを構築し、Slack内でクリックするだけで再利用を可能としている。

  • 「Flow in Slack」のイメージ

    「Flow in Slack」のイメージ

Apex SDK for Slackは、開発者が使い慣れたApexコードを書くと、それを自動的にBlock Kitにポートし、開発者はカスタムSlack UIにコンテキストを提供したり、SalesforceのデータとメタデータをシームレスにSlackに組み込んだりできるようになるという。

また、Apexを使用したSalesforceレコードの取得や、再利用可能なビューの作成、SalesforceからSlackへのイベントのルーティングなど、ミドルウェアなしでSlack向けのUIを構築することを可能としている。

  • 「Apex SDK for Slack」のイメージ

    「Apex SDK for Slack」のイメージ

また、SalesforceはSlackアプリのベータ版として「Sales Cloud for Slack」「Service Cloud for Slack」「Marketing Cloud for Slack」の提供を発表。

Sales Cloud for Slackは、営業部門の取引状況のアップデートを自動化するとともに、パイプライン分析向けにSalesforce内で最新情報を記録し、チーム間でのリアルタイムなコラボレーションを容易にして迅速な商談の成立をサポートする。

Service Cloud for Slackは、サービス部門で案件が入力されると自動的にチームメンバーに割り当てられ、必要に応じて各部門のエキスパートにもすぐにつながることができるため、効率的に問題を解決することができるという。

Marketing Cloud for Slackは、マーケティング部門での迅速なキャンペーン立案・実行をサポートし、Marketing Cloudのデータを活用したリードエンゲージメントやキャンペーンのインサイトに関するアラートがSlackのキャンペーンチャンネルに送られるため、担当者はリアルタイムでキャンペーンを分析し、改善を重ねることを可能としている。