NTTデータは4月20日、旭化成と共同で、最終製品別のCarbon Footprint of Products(以下 CFP)管理基盤を開発したことを発表した。旭化成の機能材料事業部で4月から本格運用しており、5月から顧客にCFPデータ提供を開始予定だとしている。

  • 製造プロセスを網羅した最終製品別のCFP管理イメージ

    製造プロセスを網羅した最終製品別のCFP管理イメージ

温室効果ガス排出量の管理ニーズが高まり、工場など自社活動からのCFP(Scope1、2)に加え、購入原料などに含まれる自社外のCFP(Scope3)を網羅した総排出量の把握が求められ始めている。そのため、CFPの管理は工場別など自社内の管理に適した単位ではなく、会社間の管理に適した最終製品別の単位で行う必要が出てきた。さらに、把握したCFPのコスト金額を見極めて、CFPの少ない最新設備導入などの投資判断を行うことが今後必要とされているという。

NTTデータと旭化成が共同開発した管理基盤では、上流の原料メーカーから仕入れた原料別のCFP(Scope3)に、外注加工(Scope3)、および自社の製造プロセスで発生した排出量(Scope1、2)を加えることで、製造プロセス全体を網羅したCFPを算出。また、各拠点に散在するCFP関連データを集約して最終製品別にひも付けて管理することで、グローバルの複雑な製造プロセスで発生するCFPを製品別に見える化する。

これらにより、下流の組み立てメーカーなどにScope1、2、3を網羅した製品ごとのCFPを提供できるとしている。また、製品×製造プロセス別に排出量を見える化することで、製造プロセスごとの効果的な削減施策の検討が可能だとしている。

  • Internal Carbon Pricingを活用したCFPの財務評価イメージ

    Internal Carbon Pricingを活用したCFPの財務評価イメージ

また、自社が独自に設定したCFPコスト単価を用いて、CFPを金額に換算したICPを算出する。ICPを活用することで、例えば、将来の製品別の収支計画コストと投資に伴うCFPの削減コストを比較し、投資対効果を評価することが可能。また、製造プロセス別のICPから最新省エネ機器や自然エネルギーへの転換の投資優先度の判断を行うことができるということだ。

  • 旭化成でのシステム構成イメージ

    旭化成でのシステム構成イメージ