GNUは現地時間2022年4月4日、GNU Emacs 28.1をリリースした旨をメーリングリストで報告した。大きく機能を改善したバージョン27.1は2020年8月、軽微な仕様変更を加えたバージョン27.2は2021年3月にリリースしているため、約2年ぶりのメジャーバージョンアップである。ソースコードはGNUのメインFTPミラーFTP近くのミラーFTPからダウンロードできる。

  • WSL上で動作するGNU Emacs 28.1

    WSL上で動作するGNU Emacs 28.1

GNU Emacs 28.1は、Unicode 14.0のサポートやLispファイルのネイティブコンパイル機能、バージョン27.1からサポートしたHarfBuzzを使用したテキストのシェーピングに加えて、Cairoライブラリーのサポートも追加した。また、プロセスを分離して安全性を担保するseccomp(Secure Computing filter)や、mouse-3(三つめのマウスボタン)に任意のコンテキストメニューを追加する「context-menu-mode」のサポート、ライブラリーに機能を追加するproject.elに対する改善と拡張も加わっている。変更箇所は多岐にわたるため、詳細な変更点はChangelogを確認してほしい。

GNU Emacsは1976年から開発を続けており、古参テキストエディターの一角を担う。幅広いカスタマイズ性でUNIX/Linux/*BSD上でコードを書く開発者に根強い人気を持ち続けてきた。

阿久津良和(Cactus)