三井化学は3月24日、企業変革(CX)の実現に向けたDX人材育成プランの策定と、化学業界に特化した内容の同社独自の研修コンテンツの作成を発表した。同社は、2025年度までに専門人材165名の社内育成を目指す。

DX人材育成プランは、NECとアビームコンサルティングの協力を得て作成した。同プランでは、全社員のデジタルリテラシー向上のため、レベル0から3の4段階のDX人材レベルを定義し、レベルと紐づいた「習得すべきスキル」の獲得を目指した人材育成を行う。

  • DX人材レベルの定義および育成プラン

レベル0は2021年度に役員を含む1万人が受講を完了させる。2022年度は営業部門やマーケティング部門などに所属する約1000人がレベル1の研修を受講し、データ分析に関する基本的な知識などの習得を目指す。また、レベル1の教育を受講した社員の中から、レベル2、3へと進む人材を選出し、専門人材として自らデータを活用し課題解決に導くデータサイエンティストを社内で育成するという。

三井化学の研修コンテンツレベル0およびレベル1は、役員およびバックオフィスメンバーを含む多数の従業員を対象に、幅広いデータアナリティクススキルの定着を目的としている。そのため、一般的なデータサイエンティスト育成用の研修コンテンツではなく、化学業界の特性や三井化学の業務を想定した独自の教材を作成し、修了後の認定試験を設けることで、スキルの定着化を促進する。

教材の作成にあたっては、NECの「DX人材育成サービス」のコンセプトやアビームコンサルティングの「ABeam DX Framework」を一部活用。三井化学は今後、「dotData」を活用して、三井化学の業務を想定したデータ分析演習を行うほか、「NECアカデミー for DX」を活用してDX推進に必要なデジタル人材育成も進める予定だ。