
特別国会が閉会した7月末にも行われる厚生労働省の幹部人事で、医系技官の事務次官級ポスト「医務技監」に注目が集まっている。迫井正深氏(1992年、東大医)が就任から丸3年になり、勇退説がある。
後継候補2人の名前も挙がっているが、政府内には「2人とも一長一短がある」との声も出ており、63歳の迫井氏が異例の4年目に突入する可能性もあるという。次期医務技監の候補に挙がっているのは、森光敬子医政局長(92年、佐賀医大医)と、大坪寛子健康・生活衛生局長(2008年、東京慈恵医大医)だ。
省内で本命視されているのは森光氏だ。医学部卒業後すぐに入省した生え抜きで、診療報酬改定を取りまとめる保険局医療課長や医師偏在対策など、医療政策全般を所管する医政局長など医系技官のエリートコースを歩んできた。
ただ、ある省OBは「生真面目過ぎる性格で、融通が利かない。医療は国民生活に密接に関係する。医務技監として政治家や医療界、その他の関係者とうまくやっていけるのか心配だ」と明かす。部下からも「局長なのに指示が細か過ぎる」とも不満が漏れる。
一方の大坪氏は、医学部卒業年次は森光氏と同年だが、血液内科医としてのキャリアを積んでから中途入省。安倍晋三、菅義偉政権で首相補佐官として辣腕を振るった和泉洋人氏などから厚い信頼を得たことで知られる。省中堅幹部は「大物の懐に入るのが得意で、何度も抜擢されて局長まで昇進した」と評価する。
一方で、出張先のホテルの部屋が和泉氏と扉でつながるコネクティングルームだったことが国会で問題視されるなど「悪目立ちするのが難点」(先のOB)という。昨夏には大坪氏を消費者庁長官に起用する説も浮上したが、立ち消えとなった。
こうした事情から迫井氏の留任説が流れているわけだが、医系技官は人材が乏しく、森光、大坪両氏以外に候補者は見当たらない。先のOBは「結局、今夏に後任を決めるしかないのでは」と語った。