GlobalFoundries(GF)は、増大するデータセンターの消費電力を抑制することを可能とする次世代シリコンフォトニクスプラットフォーム「GF Fotonix」を、2022年4月よりFab 8にて提供開始すると発表した。

GF Fotonixは、300mmウェハ対応のモノリシックプラットフォームであり、300GHzクラスのRF-CMOSとフォトニクス機能を持つ光学コンポーネントを同一シリコンウェハ上に集積することにより、これまで複数チップに分散していた複雑なプロセスを単一チップに集積し、高いパフォーマンスを提供することを狙ったものとなる。

すでに1ファイバーあたりの0.5Tbpsのデータレートを実証済みだとしており、これにより1.6〜3.2Tbpsの光チップレットが可能になり、データのより高速かつ効率的な伝送を実現し、シグナルインテグリティが向上するとしているほか、システムエラー率が最大1万倍向上することで、次世代の人工知能(AI)の実現が可能になるという。

また、フォトニクス集積回路(PIC)への統合により、顧客はより多くの製品機能を1チップ上に集積できるようになるため、部品点数の簡素化を図れるようになるとするほか、より大きなファイバーアレイ用のパッシブアタッチメント、2.5Dパッケージングのサポート、オンダイレーザーなどのパッケージングソリューションも提供するという。

GF Fotonixの採用をNVIDIAが決定

また、GFでは、Cisco Systemsと提携し、GF製造サービスチームと緊密に連携する相互依存プロセス設計キット(PDK)を含む、DCN(Datacenter Network)およびDCI(Data Center Interconnect:地理的に分散した複数個のデータセンターを接続するデータセンタ間相互接続通信)アプリケーション向けのカスタムシリコンフォトニクスソリューションを提供するともしている。

PDK 1.0は2022年4月より利用可能になる予定で、同社では光学システム用ディスクリートで高性能なRFソリューションを必要とする顧客のためには、「GF SiGeプラットフォーム」にフォトニクス機能を追加し、次世代の光ファイバーネットワークを介して情報を送信するために必要な速度と帯域幅を提供できるようにもしたという。

このほか、EDAパートナーのAnsys、Cadence Design SystemsおよびSynopsysが、設計ツールやフローを提供するとしているほか、GFが、リファレンスデザインキット、MPW(Multi Project Wafer)、テスト、プレハブおよびポストハブ、ターンキー、半導体製造サービスなどを顧客に提供することで、顧客が素早く市場に参入できるように便宜を図るとしている。

なお、GFによると、NVIDIA、Cisco Systems、Marvell、Ayar Labs、Lightmatter、PsiQuantum、Ranovus、Xanaduなどが、GF Fotonixを採用し、データセンターが直面している課題解決を目指すことにしているという。有力顧客の1社であるNVIDIAのミクスドシグナル設計担当VPのEdward Lee氏は、「GFと緊密に協力して、最先端のデータセンター製品の一部に高帯域幅、低電力の光インターコネクトを採用し、高性能コンピューティングとAIアプリケーションを強化し、ブレークスルーを起こす」とGF Fotonix採用にあたっての抱負を述べている。