加藤組と日立建機日本、西尾レントオールの3社は2月22日、第5世代移動通信システム(5G)を活用して油圧ショベル、ブルドーザ、土工用振動ローラの3種類の建設機械を使用して遠隔操縦をする実証実験を開始すると発表した。2月26日から3月5日の間、広島県広島市西区太田川放水路河川敷において実施する。

  • 実証実験イメージ

  • 遠隔操縦されるICT油圧ショベルZX200X-6

同実験は、1人のオペレータが工程ごとに異なる複数の建設機械を1台の遠隔操縦席で操縦できる装置の導入と、専用回線ではなく既存の5Gの一般回線を用いた遠隔操縦の実現を目指す。無線LANなどを使用した遠隔施工と、5Gを使用した遠隔施工による結果を比較することで5Gの有効性を検証する。

具体的には、3台の建設機械(油圧ショベル、ブルドーザ、土工用振動ローラ)に前方映像用カメラ、車内用カメラ、全方位カメラを各1台ずつ設置し、それぞれの建設機械のカメラ映像と遠隔操縦の信号データを、通信事業者が提供する「5G」を活用して現場と遠隔操縦席の間で伝送する。

また、5Gが持つ高速・大容量の特長を生かし、オペレータの操作性向上のため、操作補助の画像データも同時に伝送するという。AR(Augmented Reality:拡張現実)技術により、地盤面とバケットの爪先位置をグリッドとしてカメラ映像に重ねて表示して、カメラ映像だけでは補うことができない奥行情報をオペレータに提供し、施工の効率化を図るとしている。

  • 遠隔操縦モニターに表示されるAR映像(3次元設計データ)

  • 遠隔操縦モニターに表示されるAR映像(現況地盤)

さらに、3次元設計データのAR映像を遠隔操縦モニターに表示することも可能だといい、さらなる施工の効率化につなげるとのことだ。