東急不動産は6月30日、国家戦略特別区域計画の特定事業として共同開発中の「東京ポートシティ竹芝」の基幹を担うオフィスタワーが2020年5月29日に東京都港区で竣工し、2020年9月4日から開業すると発表した。

同オフィスタワーでは、センシングデバイスからデータをプラットフォームに収集して、エッジでリアルタイムにデータを処理して配信される。これにより、オフィスワーカーや来館者は館内サイネージやWebサイト、メッセージなどのさまざまな手段で情報に触れることが可能になり、データを活用した効率的なビル管理が実現される。

リアルタイムのデータ可視化で混雑を回避

オフィスワーカーに対しては、エレベーターホールやビル内施設の混雑状況、気温・湿度といった環境情報、トイレの空き情報などを配信する。「利便性・快適性の向上」「業務効率化」に加え、リアルタイムデータに基づいた混雑回避を可能し、新型コロナウイルスの感染拡大防止にも貢献する。

  • 3Dセンサーでエレベーターホールの混雑状況を検知・配信

  • AIカメラと屋外環境センサーで空き情報と温度・湿度を確認

  • 開閉センサーでトイレの空き情報を可視化

データ連動型デジタルサイネージを活用

施設のお知らせに加えて、飲食店舗の空席情報を約 30 カ所のデジタルサイネージ上に配信する。また、AIカメラによる画像解析することでわかる施設内の混雑状況や外部の交通情報などのデータと連動し、時間帯や空席率に応じて割引や限定クーポンをデジタルサイネージ上に配信することで、 飲食店舗の効率的な利用を実現する。

  • AIカメラによる画像解析の結果から店舗混雑度を確認して配信する(左図)。「ゲリラ豪雨」「電車遅延」といった外部情報とも連携(右図)

データ活用による店舗テナントのマーケティング支援

ビル内に設置しているAI カメラや Wi-Fi のデータを解析し、施設利用の傾向情報を分析し、各店舗テナントへレポートを提供する。店舗がそのレポートを店舗利用者向けの施策や来店者用ツールに活用できるよう、「数値に基づいたマーケティング」の支援を行う。

  • AI カメラや Wi-Fi のデータから施設利用の傾向を分析

施設内データの活用・連携によるビル管理の効率化を実現

施設内のデータを集計・可視化し、Webアプリケーションで監視、異常を検知する。管理スタッフのグループアプリとも連携し、従来の現場巡回や通報時だけでなくリアルタイムでの状況把握、情報連携、異常事態への対応を可能にする。

また、ソフトバンクロボティクスのロボット掃除機機「Whiz」や、SEQSENSEの自律移動の警備ロボット「SQ-2」を導入しており、人とロボットが役割分担をすることで清掃の効率化を実現する。オフィスビルへのサービスロボット導入時の課題だった上下階の移動は、三菱電機のロボット・エレベーター連携システムにより解決したという。

  • 利用者の滞留や警備員の位置情報など、施設状況を可視化

  • 左から、掃除ロボット Whiz、自律移動警備ロボットト SQ-2

同オフィスタワーの商業エリア「竹芝グルメリウム」には、既に全21店舗のラインアップが決定しており、ソフトバンクとソフトバンクグループのオフィスが移転し同オフィスタワーに入居する予定だ。