アジレント・テクノロジーは11月27日、ライフサイエンス、医薬品およびバイオ医薬品の研究に向け、複数の実験を同時に実行することでスループットの向上を可能としたUV-Vis分光光度計「Cary 3500 UV-Visシステム」を発表した。

同システムは、最大8個の試料を投入することが可能な仕組みを採用。1つのリファレンスに7つのサンプルの同時分析のほか、4つずつセルを分け、2つの異なる温度での同時分析、ならびに2つずつセルを分け、4つの異なる温度での同時分析も可能という特徴を有しているほか、検量線作成とサンプル濃度の測定を同時実行することが可能なため、従来ソリューションと比べて測定時間の短縮を図ることができるという。

  • 「Cary 3500 UV-Visシステム」の最大の特徴
  • 「Cary 3500 UV-Visシステム」の最大の特徴
  • 「Cary 3500 UV-Visシステム」は最大4つの個別の温度での測定が可能 (資料提供:アジレント)

また、長寿命の高速キセノンフラッシュランプを搭載したエンジンユニットと、2セルや8セルといった複数の構成が用意された測定モジュールを組み合わせる形を採用。メンテナンス性の向上が図られている。

  • 「Cary 3500 UV-Visシステム」の特徴
  • 「Cary 3500 UV-Visシステム」の特徴
  • 「Cary 3500 UV-Visシステム」の特徴 (資料提供:アジレント)

さらに、ペルチェ素子を活用した完全空冷式の温度制御機能を採用。一般的な冷却水循環装置が不要となるため、配管やケーブルが不要になるほか、静音化も可能となるとする。加えて、空冷式であっても、30℃/分の昇温が可能で、0~110℃までの設定で測定を行なうことができるようになっている。

  • 空冷式の概要

    空冷式の温度制御により、信頼性や静音性の向上が可能となった (資料提供:アジレント)

なお、同システムの受注はすでに開始しており、出荷は2019年1月後半以降を予定しているという。