IDC Japanは7月23日、イーサネットスイッチ、ルータ、企業向け無線LAN機器からなる国内ネットワーク機器市場について2017年のメーカー別シェアを発表した。

  • 国内ネットワーク機器市場メーカー別支出額シェア(2017年)

    国内ネットワーク機器市場メーカー別支出額シェア(2017年)

同市場のうち、ルーター、イーサネットスイッチ、企業向け無線LANの各分野でもシスコシステムズが50%前後のシェアを持っており、ネットワーク機器市場全体の46.6%のシェアを獲得した。

企業向けルータ市場におけるヤマハや、同じく企業向けのイーサネットスイッチ市場におけるアライドテレシスのように、領域ごとに強みを持つメーカーは存在しているが、総合力でシスコシステムズが大きく引き離している。各市場とも、2位以下はシェアポイント4～5%の1ポイントの間に、7ベンダーがひしめき合う混戦状態にあるという。

製品分野別では、2017年に成長した市場の1つであるイーサネットスイッチ市場においては、首位のシスコシステムズ以外にもアリスタネットワークスやジュニパーネットワークスがシェアを伸ばした。

また、国内企業向けルータ市場の中でも、最も市場規模が大きいSOHOルータ市場においては、ヤマハとNECが売り上げを大きく伸ばしシェアも増加し、ヤマハは同市場におけるシェアが50%に迫り、2013年以降で最高のシェアを記録。

企業向け無線LAN機器市場も2017年は成長し、市場の成長は大半の上位ベンダーに恩恵をもたらし軒並み2桁成長を実現したという。

首位のシスコシステムズと混戦している2位以下のべンダーという国内ネットワーク機器市場の構図から抜け出すためには、成長性の高い無線LAN機器市場が重要だと同社は指摘する。IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は「無線が優位になる『ワイヤレスファースト』の時代に即した製品ラインナップ強化を進めるべきである。ネットワーク機器製品のポートフォリオを幅広く持つとともに、無線LAN機器に最も注力すべきである」と述べている。