イーソルは9月27日、次世代ロボット制御フレームワークOSS(Open Source Software)「ROS(Robot Operating System) 2」を使った組み込みシステム開発を支援するエンジニアリングサービスの提供を開始したことを発表した。

ROSは、分散処理やPublish/Subscribeメッセージングモデル、プログラミング言語非依存などを主要コンセプトに設計・開発されたロボット用アプリケーションフレームワークで、近年、自動運転システムや産業ロボットなどの組込機器で搭載に向けた研究開発が進められている、

次世代となるROS 2は、ROSの主要コンセプトを引き継ぎながら、組込機器を含むマルチプラットフォーム化やリアルタイム制御、耐障害性の向上、複数ロボット対応など、商用化・実用化に必要なコンセプトを追加して開発が進められているもので、その通信ミドルウェアには、戦艦や宇宙・航空システム、金融システムなどでの採用実績を持つ信頼性の高いDDS(Data Distribution Service)およびRTPS(Real-Time Publish-Subscribe)プロトコルが採用されている。

今回のサービスは、今後、需要が高まることが予想されるマイコンへのROS 2適用に向けたもので、ROS/ROS 2アプリケーション開発、ROS/ROS 2と既存システムの統合、ロボット制御用ドライバ開発、ROS/ROS 2を利用したSDK開発などが含まれるという。

なお、すでにルネサス エレクトロニクスが、同社のマイコン「RX63N」へのROS 2搭載デモを、RTPSの実装の1つである「FreeRTPS」を実装した形で実現しており、このソースコードについては、ルネサスがOSSとして一般公開する予定さとしており、イーソルでもルネサスのOSSをベースに、RXシリーズを含むルネサス製マイコンでのエンジニアリングサービスも提供する予定だとしている。

ROS 2を搭載したルネサス製マイコン「RX63N」のジョイスティックによる2軸パンチルト台制御デモのイメージ