ヤフー(Yahoo! JAPAN)は6月19日、ExaScalerならびにHPCシステムズのもと、ディープラーニング(深層学習)活用に特化した省エネ性能の高いスーパーコンピュータ(スパコン)「kukai(クウカイ)」を開発、ISC17の開催に併せて公開されたスパコンの省エネ性能ランキング「GREEN500」において世界第2位を獲得したことを発表した。

Yahoo! JAPANは、ディープラーニング技術を2015年5月に音声認識エンジンへのサービスして実装して以降、コンテンツ配信の個別最適化の精度向上などに活用してきたが、GPUをベースとしたシステムの場合、規模を大きくするほど、性能ととも消費電力も上昇し、ランニングコストの負担を大きくするという課題があった。そこで、ExaScalerが開発する省エネスパコンシステムに着目。kukaiは、従来のGPUベースのシステムと比較して、演算処理性能は理論上ながら約225倍に向上させることが可能となったほか、同規模の最新GPUサーバシステム比でも15%ほどの電力コストの削減が可能となったという。

今回のGREEN500で世界2位を記録した消費電力あたりの処理性能は、14.04GFLOPS/Wで、処理性能は460.7TFLOPSとなっている。これを実現した技術としては、基板ごと液体に沈める「液浸方式」を採用することで、冷却能力を向上させたこと、ならびに、この液浸システムにNVIDIAの最新GPU「Tesla P100」を160基搭載したこと、そしてソフトウェアについても、東京大学 大学院新領域創成科学研究科の佐藤一誠 講師に協力してもらい、機械学習によるチューニングを施すことで、処理効率の向上を実現したことによるという。

なお、チューニングの具体的な手法については今後、改めて発表される予定だするほか、同システムはグループ会社であるIDCフロンティアと共同運営する「白河データセンター」に設置され、すでに運用を開始しているという。

スパコン「kukai」の液浸技術