農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が、新潟県や青森市などで発生した高病原性鳥インフルエンザウイルスのゲノム(全遺伝子情報)配列を解読した結果、人間に直接感染する可能性は低いと8日発表した。

写真 農研機構の「高病原性鳥インフルエンザ」サイトの一部。さまざまな情報が掲載されている(提供・農研機構、農研機構ホームページから)

農研機構は、11月28日に青森県や新潟県で発生した高病原性鳥インフルエンザの原因ウイルスの全ゲノム配列を解読し、遺伝子レベルでウイルスの由来や病原性を調べた。

その結果、新潟県・関川村の養鶏場と、青森市の食用アヒル農場、さらに鹿児島県内のナベヅルのねぐらで採取されたウイルスはいずれもH5N6亜型で全遺伝情報配列が99%以上一致していた。また韓国で検出されたウイルスとも97%一致した。H5N6亜型の高病原性鳥インフルエンザは、2013年以降中国で広がっていた。このため農研機構は、中国で流行した鳥インフルエンザウイルスに、他の鳥インフルンザウイルスの遺伝子が一部交じったとみている。

人間への感染リスクについては、人間への感染時に重要な役割を果たす遺伝子変異は起きておらず、感染する可能性は低いことが分かったという。

日本国内では2014年から15年にかけてH5N8亜型の感染が広がって養鶏業などに大きな影響を与えた。

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