STMicroelectronicsは10月28日、同社の32ビットマイコン「STM32ファミリ」として、最大級となる最大1MBのSRAMと最大2MBのデュアルバンク フラッシュメモリを搭載したARM Cortex-M7搭載品「STM32H7シリーズ」を発表した。

同シリーズは、独自の40nm eFlashプロセスを採用した400MHz駆動のほか、アプリケーションタスクの処理に基づき構成された3つのドメイン(プロセッシング、コネクティビティ、サブペリフェラル)によるアーキテクチャの採用、そしてメモリ容量の増強といったことにより、プロセッサ性能のベンチマーク「CoreMark」にて従来品(STM32F7シリーズ)比で約2倍となるスコア2010を、Dhrystone MIPSとしては8560DMIPSをそれぞれ実現している。

STM32ファミリのハイエンドシリーズとして、新たに追加された「STM32H7シリーズ」。プロセスの微細化のみならず、アーキテクチャの改良で演算性能を向上させた

また、IoT機器をさまざまなセキュリティの脅威から守ることを目的に、暗号化アクセラレータおよび暗号鍵ストレージのプロビジョニングといったセキュリティ機能を搭載しており、チップの製造段階から、最終製品として活用される段階に至るまで、すべての段階でのデバイスの保護を可能にしたと同社では説明している。

搭載されるセキュリティ機能の概要とIoT向けセキュリティスキームの概要

さらに、倍精度FPUや14ビット 2MSpsのA/Dコンバータ(ADC)、コンパレータ、オペアンプなども内蔵することで、多彩な用途に対応することを可能としており、産業機器からコンシューマ機器まで、幅広く日本市場におけるニーズに対応することができるようになっていると同社では説明するほか、独自の低消費電力化技術「STM32 Dynamic Efficiency」を採用することで、動作時電力を従来品(STM32F7シリーズ)比で約半分まで低減したとする。

STM32H7シリーズのブロックダイヤグラムと搭載ペリフェラルの概要、各モードにおける電力消費量の概要

なおSTM32H7シリーズは、すでにLQFP100からTFBGA240までの6種類のパッケージにてサンプル出荷を開始しているほか、同シリーズ向け開発ボード/評価ボードおよび組み込みソフトウェア「STM32Cube」も提供する予定だという。

左がSTM32H7搭載ボード、右が前世代品のSTM32F7搭載ボード。いずれもフラクタルの表示デモで、拡大画像を見てもらえると分かりやすいが、継続時間が半分程度となっている

こちらは最少CPU動作での4画面同時再生(モーションJPEG)のデモ。タッチパネル処理も並列して行っている

STM32H7搭載評価ボード。ちなみにチップのサンプル価格は100ピン(LQPF100)パッケージで、フラッシュメモリ1MB、SRAM1MB品となる「STM32H743VGT6」で約8.17ドルとのこと