昭和電工は7月19日、同社が参画する大阪大学 菅沼克昭教授のプロジェクトにおいて、SiCパワー半導体が300℃の高温域で安定的に動作する基板構造を開発したと発表した。

菅沼教授らは、アルミニウムの耐熱特性に着目し、アルミ材料と実装技術を開発し、-40℃から300℃の温度サイクル条件下でも欠陥が生じない材料構造を実現。同社は、DBA基板(半導体を実装するアルミ層とセラミックス絶縁層を接合した、放熱性に優れた回路基板)および冷却器の材料開発と接合(ろう付け)、基板構造全体の放熱設計において同プロジェクトに参画している。

昭和電工は、現在推進している中期経営計画「Project 2020+」において、パワーモジュール向け部材の開発を進めており、同社が保有するさまざまな素材の設計・加工技術を生かして、耐熱性および放熱性に優れた新たな基板材料を開発するとともに、実装後の評価技術を確立し、パワーモジュールの小型化・高出力化に向けたソリューションを提供していくとしている。