NTTデータは2月10日、米The Linux Foundationがブロックチェーンの標準化を目的に2月10日(日本時間)に設立した「Hyperledger Project」の創立メンバーとして参画することを発表した。

ブロックチェーン技術とは、ネットワークに接続された数多くのコンピューターで分散して処理やデータ管理を行うことで、一つの巨大なシステムで処理とデータ管理する場合と同等の機能を実現するという技術。ビットコインのような仮想通貨を支える技術として使われている。

これまで、高信頼なシステムを構築するためには、大規模な設備だけでなく、耐障害性・高可用性といった難易度の高い設計・開発・試験のために多額な費用がかかっていたことに対し、ブロックチェーン技術を利用すると、より安くシステム構築できる可能性が注目を浴びている。

国内においても、大手金融機関がブロックチェーン技術利用を検討する国際コンソーシアムに参加するなど、導入に向けた取り組みが始まっており、また、金融分野にとどまらず株券や不動産所有権、コンテンツ流通のような権利移転のプラットフォームにおける適用検討もされるなど、急速にブロックチェーン技術の普及に向けた動きが加速している。その一方、これまで基幹システムが実現していた各種機能要件をブロックチェーン技術によってどのように実現するのか、高信頼性が求められるシステム構築において、現時点のブロックチェーン基盤に欠けている要件はないかといった多くの未知数の要素に対して、各社各業界で技術検証が行われているという。

「Hyperledger Project」は、これら技術検証を、グローバルレベルで共同して実施し、デファクトスタンダードとなるようなブロックチェーン基盤の技術開発を目指すもの。米The Linux Foundation内の協業プロジェクトで、参画企業は、ブロックチェーン技術のスタートアップ企業であるR3を含む大手ITベンダーと、欧米の証券取引所や決済機関、SWIFTなど金融インフラ系のメンバーを中心に構成されている。

NTTデータは、参画により、同社が長年培ってきた基幹系システム構築に関するノウハウを元に、信頼性の高いシステム構築にも適用できるブロックチェーンシステム基盤の標準化に貢献するとともに、世界各国と比較して、極めて高い信頼性やセキュリティ性が求められる国内の各種システムにおいてもブロックチェーン技術が活用可能となることを目指すとしている。

日本からは同社以外に、富士通、日立製作所、NECが「Hyperledger Project」に参画している。