2014年12月3日から5日にかけて東京ビッグサイトにて「SEMICON Japan 2014」が開催されている。今年は従来のような半導体製造装置と材料メーカーによる展示に加え、特別展「World of IoT」など様々な新たな取り組みに挑んでいる同展示会。半導体露光装置を中心に展開するニコンは、2014年4月より受注を開始したArF液浸スキャナ(露光装置)「NSR-S630D」を10nmプロセス世代まで対応させるロードマップなどを提示している。

ニコンブースの外観と、10nmプロセスに向けた同社の露光装置ロードマップ

NSR-S630Dは投影レンズ性能の向上とレチクルステージ位置計測のエンコーダ化、温空調システムの改良により、MMO(Mix and Match Overlay:同一機種間の重ね合わせ精度)を2.5nm以下にしつつ、毎時250枚以上(96shots)のスループットを実現した露光装置。

NSR-S630Dのスペック概要

1Xnmクラス向けに開発されたものだが、レチクルや照明系の改造により10nmプロセスにも対応できるめどがついているという。また、10nmプロセスを実現する際のパターニング回数も6回という話もあるが、ブース説明員によれば、その回数は現状では考え難いとのことで、おそらくクアッドパターニング(4回)で実現されることになるのではないかとしていた。

なお、同社ブースでは、露光装置の紹介のほか、ニコン熊谷製作所にて行われた450mmウェハに実際に露光を行った実物の展示も行われている。この450mmウェハ対応露光装置は2015年4月にAlbanyに出荷される予定だという。

実際に450mmウェハに露光を行ったものも展示されている