2014年12月3日から5日にかけて東京ビッグサイトにて「SEMICON Japan 2014」が開催されている。今年は従来のような半導体製造装置と材料メーカーによる展示に加え、特別展「World of IoT」など様々な新たな取り組みに挑んでいる同展示会。半導体テスタ大手のアドバンテストは、さまざまな種類の半導体デバイスに向けたテスタの紹介を行っているほか、先端技術を活用した新たなソリューションの紹介などを行っている。

左がエンベディッドパワーテスト向けテスタ「V93000 PVI8」の計測用モジュール、右がハイスピードICテスト向けテスタ「V93000 Pin Scale SL」の計測用モジュール

テスタ関連として注目なのが、2014年12月中に受注活動を開始する予定とするエンジニアリングラボ用ハンドラ「M4871ES」。従来、半導体デバイスの開発において、試作チップの温度特性などを計測したいと思っても、小型のハンドラがなかったため、工場に持ち込んで、そこに設置されているハンドラを使って特性の評価を行う必要があるといった手間が発生していた。

同装置は、そうした課題を解決することを目的に開発されたデスクサイズの小型ハンドラで、これで測定した特性をそのまま量産ラインに用いられているハンドラに反映させることが可能となるという。なお、価格は未定とのことだが、数百万円程度になるとのことであった。

エンジニアリングラボ用ハンドラ「M4871ES」。机の下の箱状のものが本体。従来のハンドラに比べて、かなり小型化がなされている

また、こうしたテスタ以外に同社が近年力を入れているのがテラヘルツ波の活用。ブースでは、テラヘルツ波を活用することで、半導体パッケージのモールド厚の測定を可能とする「TS9000」の展示も行われている。テラヘルツ波は可視光と電波の間の適度な電磁波帯といった波長で、若干の透過性を持っているため、数mm程度の半導体パッケージであれば、非破壊で内部を撮影することが可能だ。今後、3D実装のニーズが増えることが予想されており、そうした先端技術で生じる課題の解決に向けたソリューションになるという。

半導体のモールド厚の測定を可能とする「TS9000」。今後の半導体の高性能化には必須となってくる可能性がある

さらに同社ブースでは、同社子会社であるCloud Testing Service(CTS)が提供する好きなタイミングで好きなだけ使えて、しかもコストがあまりかからないテストソリューション「Cloud Testing Service」の紹介も行われている。これは専用のハードウェアモジュール「CloudTesting Station」と行いたいテストを実現する計測ソフトウェア群「CloudTesting Lab」を組み合わせることで、半導体や組み込み基板などのテストを実現しようというもの。オシロスコープや各種アナライザといった使い方も可能だ。こちらについては、弊誌にて使い方に関する連載もしているので、気になった方はそちらもお読みいただければと思う。

CloudTesting Station「CX1000P」のデモ。IOは32チャンネルまで測定することが可能。これよりも多チャンネル(128チャンネル)の計測が可能な「CX1000D」もある