富士通は10月15日、シンガポール科学技術庁およびSingapore Management Universityと、都市の社会課題解決のためのソリューション創出を目的とした、5年間の包括共同研究契約を締結したと発表した。

今後、3者は先端研究組織(Center of Excellence:CoE)をシンガポールに設立し、シンガポール首相府の国立研究財団からの支援も受けながら、高速・大規模計算科学技術(High Performance Computing:HPC)や、実社会で発生するビッグデータを活用した研究を通じて都市などの社会課題解決のためのソリューションを創出し、シンガポールで実証実験を行う。3者がこの共同研究に投じる投資金額は、合計で5400万シンガポールドルになるとのこと。

CoEでは、大都市などにおける交通渋滞の緩和や歩行者の動線改善、人ごみの管理などを行うソリューション開発を目的とした「ダイナミック・モビリティ・マネジメント」の研究を行う。また、新規に港湾インフラ設備を増強することなく、港湾オペレーションを最適化することで処理能力を向上させる研究、および船舶の入出港や陸上交通の管理も含めた港湾から陸上までの統合物流最適化の研究を行うという。

富士通は「CoEは、シンガポールで実際に発生するビッグデータを用い、富士通の掲げるビジネス戦略である、ヒューマンセントリック・イノベーションに合致する最先端の研究開発に携わることのできる、またとない貴重な機会です。このプロジェクトを通じ、シンガポールとより密接な関係を築き、安心安全な社会の実現に貢献したいと願っています」とコメントしている。