大日本印刷(DNP)は3月3日、複合機などの事務機器や店頭のデジタルサイネージ(電子看板)、家電製品などに近距離無線通信技術NFC機能を付与する組み込み用マイコン搭載型NFCモジュールを発表した。3月下旬より発売する。

企業内の複合機やPCと社員証を連携させた個人認証、流通店舗での電子マネーの利用や会員カードによるポイント管理、デジタルサイネージとNFC対応スマートフォンを連携させた情報配信など、NFCを活用したサービスが近年増加している。しかし、機器にNFC機能を付与するには、ICチップとのデータのやり取りを制御するソフトウェアを開発する必要がある。

そこで今回、ICチップ独自のプロトコルに慣れないシステム開発者でも容易にソフトが開発できる製品として、マイコン搭載型NFCモジュールを開発したという。同製品を機器に組み込むことで、ICカードのID番号の取得やデータの読み書きなどが簡単に行え、NFCに対応した機能を付与できる。モジュールには、ICチップのドライバソフトウェアや通信プロトコルなどが入ったマイコンが搭載されており、DNPが提供する仕様を基に、ソフトウェア開発が容易に行える。また、用途に合わせて3つのサイズから選択できる他、カスタマイズ対応も可能となっている。

DNPでは、ICカードを利用するオフィスや流通、アミューズメント業界向けの機器を開発しているメーカーに同製品を提供し、その他のNFC関連機器も含めて、2015年度までの2年間累計で20億円の売上を目指すとしている。

DNPの近距離無線通信技術NFC機能を付与できるマイコン搭載型NFCモジュール