米コロラド州デンバーにて開催されているスーパーコンピュータ(スパコン)最大の学会「SC13」において、11月18日(米国時間)、スパコン処理能力ランキング「TOP500」の2013年11月版が発表された。

42回目の発表となる今回は、上位の5システムが前回(2013年6月発表)から性能に変わりがなく、順位の変動も生じなかった。1位から5位までは、中国National University of Defense Technologyの「Tianhe-2(Milky Way-2/天河2号)」が33.8627PFlopsで1位、米オークリッジ国立研究所(ORNL)の「Titan」が17.590PFlopsで2位、米ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の「Sequoia」が17.173PFlopsで3位、4位には日本の「京」が10.510PFlops、そして5位には米アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)の「Mira」で8.586PFlopsとなっている。

6位には前回42位であったSwiss National Supercomputing Centre(CSCS)の「Piz Daint」が、プロセッサを前回のXeon E5-2670 8C 2.600GHzからXeon E5-2680 8C 2.700GHzに変更したほか、NVIDIA K20xを搭載することで、前回の626.9TFlopsから、6.271PFlopsへと1桁の性能向上を実現してランクイン。7位は前回6位の米テキサス大学の「Stampede」が5.168PFlops(前回から数値の変化はなし)で、8位が前回7位の独Forschungszentrum Juelich(FZJ)の「JUQUEEN」が5.009PFlops(同)、9位が前回8位であったDOE(米国エネルギー省)/NNSA(米国国家核安全保障局)/LLNLの「Vulcan」で4.293PFlops(同)、そして10位には前回9位の独Leibniz Rechenzentrumの「SuperMUC」が2.897PFlops(同)でランクインした。

また、11位にはアクセラレータをNVIDIAのFermi世代のM2050から、Kepler世代のK20xに換装した東京工業大学(東工大)の「TSUBAME2.5」が2.843PFlopsで、前回21位からジャンプアップしている。

全体を見ると、1PFlops超えは500システム中31システムで、前回の26システムから5システム増加となった。また、53システムがなんらかのアクセラレータ/コプロセッサを用いており、そのうちの38システムがNVIDIAのGPUコンピューティング、13システムがIntel Xeon Phi、2システムがATI Radeonとなっている。

国・地域別で見ると、米国が265システムでトップ。次いでアジア・太平洋が115システム、そして欧州が102システムとなっている。アジア・太平洋地域のうち、中国が63システム、日本が28システムとなっている。なお日本勢の1PFlops超えのシステムとしては、4位の京、11位のTSUBAME2.5のほか、24位に国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)の「Helios」が1.237PFlops(前回20位)、30位に東京大学情報基盤センターの「Oakleaf-FX」が1.043PFlos(前回21位)がランクインしている。

中国National University of Defense Technologyの「Tianhe-2(Milky Way-2/天河2号)」の外観

2013年11月に発表された第42回 TOP500の上位10システム