情報通信研究機構(NICT)は10月3日、NICTが主導的に研究開発・標準化推進を行ってきた国際無線通信規格「Wi-SUN」が、東京電力が整備する予定の次世代電力量計「スマートメーター」用無線通信方式として採用されたことを発表した。

すでにスマートエナジーの実現に向けたエネルギー管理アプリケーション用国際標準通信規格として「ECHONET Lite」があるが、同規格はセッション層・プレゼンテーション層・アプリケーション層に関する通信規格であり、トランスポート層・ネットワーク層・データリンク層・物理層といったいわゆる下位層と呼ばれる実通信に係る方式は規定されていなかった。

Wi-SUNは、IEEE802.15.4g規格をベースにした相互接続を有する無線通信規格で、情報通信技術委員会(TTC)においてECHONET Lite向け下位層通信インタフェース規格JJ-300.10としても採択されている。また、IEEE802.15.4eならびにIPv6にも対応しており、無線機器間の高い相互接続性を実現している。

なおNICTでは、今回のWi-SUN規格の採用に合わせ、規格適合性および相互接続性試験用測定器の開発を民間測定器ベンダと行う予定としているほか、相互接続性や互換性や検証を行う相互接続試験を積極的に主催、参加し、今後も同規格を安定して動作させるための活動を推進することで、企業や家庭内の効率的なエネルギー管理の実現に貢献していきたいとコメントしている。

Bルートで使用するWi-SUNプロトコルスタック。無線機は、家庭内に設置される次世代スマートメータ、宅内エネルギー管理システム(HEMS)、各種家電機器に取り付けられ、各種家電とHEMS、HEMSとスマートメータ間で通信することで家庭内のエネルギー消費を監視し、制御を行うこととなる