NXP Semiconductorsは、同社のテレマティクスソリューション「ATOPファミリ」として「GloTOP 2.5G」を発表した。

同製品はロシアの衛星測位システム「GLONASS」に対応するように設計された車載テレマティクス用モジュールで、GLONASSとGPSやGSM、さらにNFCの機能を1パッケージに統合している。GLONASSとGPSを並行して受信できる機能を備えているため、場所に応じて最適な信号を自動的に選択し、高い精度の位置情報を取得することができるほか、GLONASS衛星システムへのアクセスを必要とする車載テレマティクスアプリケーションとの統合を素早く、容易に実現できるようになると同社では説明している。

例えば、既存ATOPソリューションとピン配列からソフトウェアに至るまでの互換性を確保しているため、すでに使用している基板上に乗せ換えることが可能になるという。特にロシアではGLONASSシステムに対応していない車両に対して高額な輸入税が課せられる見通しであり、ロシア市場で衛星測位システムを販売しようと考えている車載テレマティクス製品メーカーにとって、同システムへの対応は大きな意味を持つことになる。また、インドでもGLONASSが標準仕様に採用されており、今後拡大が期待されるインド市場でのアドバンテージを得るメリットもあるという。

また、NXPのGloTOPは独自の技術によるさまざまな機能の1パッケージ化により、他のモジュールを追加することなく渋滞回避や車載自己診断機能、車両運行管理など複数のテレマティクスアプリケーションを並行して動作させることができるため、システム開発が簡素化できるほか、Javaのサポートにより、アプリケーションを容易に開発することができるようになっているとしている。

ロシアの衛星測位システム「GLONASS」とGPSに対応する「GloTOP 2.5G」