Analog Devices(ADI)は、消費電力に応じた多数のパワーモードオプションを備えた高集積デジタルX線アナログフロントエンド(AFE)「ADAS1256」を発表した。

同製品は低消費電力かつ高いダイナミック・レンジを提供する256チャンネル同時サンプリングのAFEで、256チャンネルそれぞれに低ノイズチャージ・アンプ、ローパスフィルタ、相関二重サンプリング回路を搭載しており、それらすべてがミッシングコードなしの16ビットA/Dコンバータにマルチプレックスされる構成となっている。

コンバージョンされたチャンネルデータはすべて単一のLVDS(低電圧差動シグナリング)セルフクロックシリアルインタフェースに出力され、2pCのフルスケール範囲に設定時、560エレクトロンと等価なノイズ量となっており、患者へのX線照射による被ばくの低減と高解像度のデジタルX線画像を実現することが可能だ。1mWから3mW/チャンネルにわたって多数のパワーモードを備えているため、機器メーカはポータブル放射線医療機器やマンモグラフィ(乳房X線撮影)、さらに蛍光透視法や循環器診断機器といった、高速撮像を必要とするデジタルX線モダリティに適用することが可能となっている。

なお、同製品はすでに量産出荷を開始しており、1000個受注時の単価は256ドル(米国における販売価格)となっている。

ADIの高集積デジタルX線アナログフロントエンド(AFE)「ADAS1256」