アドビ システムズは、国の情報セキュリティ政策を担う「内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)」が取り組んでいる、「PDFファイルの改ざんによるサイバー攻撃への対策について」に向けての協力要請を受け、この取り組みに賛同し協力することを発表した。

協力の一環として同社は、米・アドビ システムズと連携し、「Adobe Reader」ならびに「Adobe Acrobat」において、日本の政府認証基盤(GPKI)の官職認証による電子署名が付与されたPDFファイルを、利用者が簡単に検証できるように機能強化を行ったという。

これを受けNISCでは、各府省庁に対し、両ソフトの修正版をインストールするよう注意喚起を行ったほか、政府機関によるPDF文書に政府認証基盤(GPKI)を用いた電子証明書の付与を推奨している。今回の取り組みは、政府認証基盤を利用した電子署名技術をサイバー攻撃による「改ざん、なりすまし対策」に利用するもので、政府の取組としては世界初とのこと。

なお、今回同社が強化した電子署名検証機能は、日本語版のAdobe Reader、Adobe Acrobatのみならず、全世界の言語バージョン、WindowsおよびMac OSに対応しているといい、今後、他国政府から同様の要請があった場合でも、柔軟に対応することが可能だとしている。