楽天は11月9日、電子書籍事業を運営するカナダのKoboを完全子会社化することを目的とした同社の株式取得について、臨時取締役会において決議したことを発表した。Koboは2009年の設立。カナダ、米国、英国、フランス、ドイツなどで電子書籍事業を運営している。

買収については、楽天がKoboの既存株主から全株式を買い取る方法で行い、2012年第1四半期にクロージングの予定。なお買収にあたっては、カナダ政府の承認が必要となる。

Kobo Webサイト

グローバルで事業を展開するKoboは、100ヵ国以上のユーザーに電子書籍コンテンツを提供している。ビジネスモデルとしては、各国の大手書籍販売企業と提携して顧客を獲得していることが特徴。カナダではIndigo Books & Music、英国ではWH Smith、フランスではFNACなどが例に挙げられる。

また、電子書籍コンテンツだけではなく専用端末「Kobo eReader」を有している。コンテンツの購入は専用端末からのほか、アプリを通じてiOS、Android、BlackBerry、Windows、Macなどからも行え、多様なデバイスに対応したオープンな電子書籍提供モデルを展開している。

このほか、お気に入りのフレーズを友人と共有したり同じ本を読んでいる人の感想を表示したりするソーシャル機能も提供している。

楽天は、8月に電子書籍ストア「Raboo」を開設するなどの取り組みを行っており、Koboを子会社化することで、楽天ブランドの電子書籍端末を持つだけでなく、海外の出版社や権利者や専用端末を販売する小売業者などとのネットワークを得ることを見込んでいる。