大半の顧客がROIの最大化を6ヵ月で達成
両氏はOptim製品の導入事例を紹介してくれた。Optim Data Growthを導入した企業では、データ容量が1.5TBだった本番環境のデータをアーカイブすることで、700GBにまで圧縮されたという。「データ容量が減ったことで、本番環境の管理が容易になり、その結果、運用に関わっていた人員も減らすことができ、コスト削減が実現された」と、Tallant氏。
また、あるクリアリングハウスはTest Data ManagementとData Privacyを導入したことによって、「個人情報の保護」、「ベストプラクティスの確立による新規顧客の獲得」、「テスト期間の短縮」、「テストケースのカバレージのアップ」を実現したという。
「テスト期間が数週間かかっていたところ、数日になった。また、テストカバレージは50%だったところ、100%にまで上がった。結果として、ROIも改善した」(Sinisgalli氏)
Sinisgalli氏によると、Optimを導入した顧客の大半は6ヵ月でROIを回収しているという。
経営層にとって必要なソフトをまとめてパッケージとして提供
顧客はOptimシリーズの導入にあたって、3製品すべてを選択しているのだろうか?
Tallant氏は、「まずは1製品の導入から始めて、効果を実感してから他の製品の導入を検討する企業がほとんど」と語る。
3製品のシェアだが、Optim Data GrowthとData Privacyは同程度であり、Data Privacyは新興国で急速に伸びているという。
Optimシリーズを構成する3製品は、データアーカイブ製品、テストデータ管理製品、データ保護製品と一見、用途とターゲットがバラバラに見える。IBMでは、「Integrated Data Management」というコンセプトの下、同社が抱えるさまざまなハードウェアとソフトウェアを業種に特化した形でパッケージ化して提供していく取り組みを進めているが、同シリーズもその中に含まれるそうだ。
Guardiumとの併用で相乗効果を上げた事例も
他の大手ベンダー同様に、IBMも数々の買収を行っているが、今月、データベースセキュリティ・ベンダーのGuardiumの買収を発表した。同社の製品とOptimシリーズは競合しないのだろうか?
両氏は「Guardium製品とOptimは補完しあう関係。よって、競合はしない」と説明する。「Guardium製品が加わることで、同社が推進するIntegrated Data Managementのカバー範囲が広がるだろう」とSinisgalli氏。
同氏はOptimシリーズとGuardium製品を併用することで、アーカイブされているデータのアクセス状況をモニタリングすることが可能になり、監査に役立てている顧客もいると教えてくれた。「昨今、本番環境だけでなく、アーカイブされているデータのアクセス状況も監査できることが求められている」
世界中で需要が高まるコンプライアンス対策
Optimシリーズの開発ロードマップについて両氏に聞いてみた。Sinisgalli氏によると、今後は特に「ガバナンス」、「コンプライアンス」、「プライバシー保護」にフォーカスしていくつもりだそうだ。
「米国では州レベル、自治体レベルでデータの保護に関する法規制が施行されているが、他の国でも独自の法規制が敷かれており、データ保護に関する要件が定められている。世界中のあらゆる国で、法規制に従ってデータを保護しなければならない状況になっている」
そして同氏は、電子メールなどさまざまな観点からのアーカイブに対する需要が増えており、企業では包括的にデータを管理する必要が生じているため、同社のIntegrated Data Managementに基づくソリューションの重要性が高まっていると説明し、インタビューを締めくくった。