深夜のコンビニ営業はワークライフバランス推進の障害になる!?(内閣府のWLB推進ロゴマーク"カエル・ジャパン")

22時以降のいわゆる"深夜営業"を行うスーパーやコンビニ、ファミレスなどの営業形態について、約6割の人が仕事と家庭生活の両立(ワークライフバランス)に影響を及ぼしていると感じているなど、顧客ニーズとワークライフバランスの関係性を調べた内閣府による意識調査がこのほど公表された。

調査は、内閣府が2009年の3月6日から8日にかけて、全国の20歳以上60歳未満の男女 2,500人を対象に実施。対象者に22時以降にスーパー、コンビニ等の小売店を利用する割合を訊ねたところ、全体の回答で最も多かったのは「まったく利用しない」で39.3%。一方、「ほぼ毎日」「週3 - 4回」「週1 - 2回」を合わせた割合は26.2%。家族形態別で利用頻度が最も高かった単身世帯でも「月に数回」が34%を占め、週1回以上利用しているのは45.1%と半数に満たなかった。

また、深夜営業をする小売店がなくなった場合について、全体の約6割が「まったく困らない」(20.4%)、「あまり困らない」(37.8%)と回答。20.6%が「非常に困る」、36%が「やや困る」と回答した単身世帯を除けば、子どもあり世帯、夫婦のみ世帯、その他のすべての世帯で「まったく困らない」「あまり困らない」が過半数以上を占めた。

一方、顧客ニーズに応えるものとされているこうした深夜営業や24時間年中無休といった営業形態について、長時間労働など働き方に悪影響をもたらしていると考える人は、「非常に感じる」(18.5%)、「時々感じる」(41.8%)を含め、全体の約6割にのぼった。さらに、この傾向を「仕方がない」とする人はわずか13%にとどまり、「働き方に悪影響が及ぶようなサービスは是正する必要がある」と答えた人が78.3%にのぼることがわかった。

今回の調査結果から、顧客ニーズに応えるための営業形態が結果として、長時間労働化を招き、ワークライフバランスの実現の妨げになっているという悪循環を生み出している現状が見てとれる。一方で、本来顧客ニーズに応えるはずの営業形態が、実際にはそれほど必要とされていないという皮肉な結果が報告されたかたちになる。

なお、同調査では前回(2008年8月)に引き続き、ワークライフバランスの認知度も調査された。その結果、「言葉も内容も知っている」と答えたのは、前回の11.3%から13.4からほぼ横ばい。51.8%が「言葉も内容も知らない」と答え、依然認知度が低いことがわかった。