NECは、高密度実装の電子機器内部のプリント基板構造において、基板内部を伝播するデジタル回路から無線通信回路への電磁波の干渉を抑制することが可能な「高密度EBG(Electromagnetic Band Gap)構造」を開発したことを発表した。

新たに開発されたEBG構造の概要

同構造では、電磁波の波長に比べ短い周期で小片(セル)を多数配列した構造を持つ人工材料(メタマテリアル)の一種で、これによりプリント回路基板内を伝搬する特定の周波数帯域の電磁波を遮断することが可能となる。そのため無線通信機能を有する電子機器のデジタル回路-無線通信回路間の干渉を抑制することができるようになる。

また、セルに細いコイル状の配線パターンを適用することにより、セルのサイズを従来比で約1/10に低減することが可能。このため、メタマテリアルとしてセルを配置する周期も約1/10になり、高密度実装された電子機器への適用が可能となる。

さらに、従来のプリント回路基板の配線パターン設計、製造プロセスが適用可能であるため、製品化において新たな製造設備などへの追加投資が不要なほか、Siなどの微細加工が可能な基板(Siインターポーザ)への適用が可能であり、将来的にはLSIのパッケージなどでも利用することが可能だという。

同社では、内蔵したプリント回路基板を用いて、無線通信機能を有するデジタル信号処理機器を試作、無線通信特性の評価を行った結果、電磁干渉の影響を約10dB低減できることを確認した。また、Si基材にも適用し、薄膜プロセスを用いて導体膜を形成することで、2.4GHz帯の電磁波干渉を抑えながら、従来の約1/10となる単位セルサイズ1mmの素子を試作した。これにより、SiPへの搭載に向けて小型化が可能となり、無線通信端末など高密度実装の電子機器に適用し、機器内の電磁干渉を抑制することが可能となるとしている。

EBG構造を内蔵したプリント基板を用いて試作した無線機能搭載の端末

なお、NECでは、今後も電子機器内部の電磁干渉を低減することで、無線通信品質を良好に保ち、電波資源の有効利用に役立つ技術開発を推進していくとしている。