警視庁は27日、ライブカメラコミュニティサイト「スティッカム ジャパン!」において、同サイトのイベントの妨害予告を行ったとして、東京都国立市の飲食店経営の39歳男を威力業務妨害の疑いで逮捕した。この犯行予告により、同イベントは中止となった。

「スティッカム ジャパン!」は、米Advanced Video Communicationsが運営する「Stickam.com」の日本版サービスとして、2006年9月にオープン。ユーザーがウェブカメラやデジタルビデオカメラを使ってライブ放送を配信できる。

「スティッカム ジャパン!」を運営するE-Times Technologiesは、同サイトの2周年を記念し、インターネットに詳しい有識者らを集め、ライブカメラコミュニティサイトなどの今後を話し合うイベントを、今年9月22日に開催し、同サイトでライブ配信する予定だった。イベント会場では、一般ユーザーの参加も予定されていた。

警視庁によると、男はこのイベントを妨害しようと企み、同月13日、「ウナちゃんマン」という名前を用い、出刃包丁を振りかざしながら、「今度のイベントにもこれを持っていくから。グズグズ言う奴はブッ刺すから、よろしくね。ぶっ殺すからなー、ホントに、こっちはそのつもりで行くんだからよー。」などと叫ぶ動画を同サイト宛てに送信した。

E-Times Technologiesは、重大な規約違反であるとして、男のアカウントを削除。犯行予告から3日後の9月16日、「万が一のことを考え、イベントの中止と所轄警察署である麻布署へ被害届の提出を決定」(同社)。

17日、サイト内スタッフブログでユーザーへ向け、サイト内で犯罪予告が行われた旨と、9月22日のイベント中止を報告した。

警視庁は捜査の上、犯行予告から2週間後の27日、男を威力業務妨害の疑いで逮捕した。

E-Times Technologiesでは、「今回、自社が運営するサイト内で犯罪予告が行われたことを重く受け止めており、ユーザーへの啓蒙を含めた再発防止策を講じていく」と話している。

ネットの匿名性についてはこちらのレポートを参照

【レポート】なぜ捕まるのか? とまらない犯行予告と逮捕劇に見る"ネットは匿名"の誤解