ウェブエックス・コミュニケーションズ・ジャパンは27日、サイバーエージェントの木村賢氏(同社インターネット広告事業本部 SEM事業本部 SEOソリューション事業部 チーフアナリスト)をパネリストに招き、「検索エンジンの動きとSEO~これからのSEO対策とウェブコンテンツ~」と題したオンラインセミナーを開催した。

木村氏はまず、現在のランクアップのポイントとして、「現在、ビッグキーワードは外的施策のボリュームにより決定される傾向にある。Webサイトの限られたリソースの中でしか内的施策を行っていないため、内的要因が画一化している」と述べ、外的施策が差別化のカギとなることを解説した。

また、外的要因の基本はまず「インバウンドリンク(被リンク)が多い」ことを挙げ、ページランクが高いサイトから多くリンクされていることが評価のポイントだと語った。さらに「キーワードをテーマとしたサイトからのリンクが多い」点や「関連性の高いサイトからのリンク」が高い評価につながることから、このようなリンクを生み出すことが重要であるという。

木村氏によると、今あるサイトからリンクを張るための基本的な施策では、SEO事業者への委託が現在の主流だという。SEO業者は、保有しているサイトから多くのリンクを張り、リンクアンカーテキストがキーワードとなるやり方だ。また、その他の方法として、相互リンクや自社/グループ企業などの関係サイトからのリンク、直リンク型の広告枠の購入、または広告費を支払って直リンクしてもらう方法などがあるが、これらは「将来的な効果という意味ではやや疑問が残る」(木村氏)やり方だという。

これに対し、SEO業界において現在新しく出てきた動きは「ブログプロモーションの活用」で、ブロガーにキーワードに基づく記事を書いてもらい、キーワードをアンカーテキストにリンクを張ってもらい、それに対して報酬を支払う仕組みになっている。

しかし、木村氏によると、最近の検索エンジンはSEO用の意図的なリンクに対する対策を強めているという。GoogleのWebマスター向けガイドラインには「リンク交換や購入リンクなど、検索エンジンの結果操作を目的としたリンクについては完全に評価を下げるように務めている」と記載され、広告的なリンクやリンクの売買を行うサイトを通知するように呼びかけている。すでにアメリカでは半年ほど前から、購入したと思われるリンク評価をあまりしなくなるなど、これまでのSEO用のリンクを評価しなくなる傾向にあるといい、木村氏は「日本でも同じような波はやってくると考えている」と推測している。

SEOの意図的なリンクに対する検索エンジンの対応