Microsoftはこのほど、「The Future Is In Play: Gaming as Advertising’s Most Powerful Ecosystem|Microsoft Advertising」において、広告分野におけるゲームの存在感が急速に増している現状を示す分析結果を公表した。

人々の行動が変化し、情報の受け取り方が従来の枠組みから大きく離れつつある中で、ゲームが主要な接点として浮上しつつある。この背景には、プラットフォームごとの境界が薄れ、複数の環境を行き来しながら遊ぶクロスプラットフォーム型の消費者の増加があるという。

  • ゲーム内広告のイメージ。視聴後に報酬が得られる形式は、高い視聴完了率につながるとされる Photo:PIXTA

    ゲーム内広告のイメージ。視聴後に報酬が得られる形式は、高い視聴完了率につながるとされる Photo:PIXTA

なぜ複数デバイスでゲームする人が増えているのか?73%の実態

Microsoftの調査によれば、週に一度以上モバイルデバイスで遊ぶ人は全体の86%を占め、複数の機器を使う人も73%に達したとされる。朝はモバイルで短時間プレイし、昼はPCやモバイルで戦略的プレイ、夜は家庭用機による長時間のプレイという流れが一般化し、生活の中で複数プラットフォームの接点が生まれている。

Microsoftが2023年に買収を完了したキング・デジタル・エンターテイメント(以下、キング)やMicrosoft Casual Games、Xboxはこの行動の中心に位置し、複数の機器を使う人の中では高い利用率が示されている。

ゲーム内広告はなぜ最後まで視聴されるのか?本当に効果はあるのか

広告の成果を左右する要素としては、視聴の集中度が重要な指標とされる。Microsoftと電通の共同調査では、ゲーム内広告を最後まで視聴するユーザーは100%に達し、他の主要媒体を大きく上回ったという。

没入度が高いほど行動や記憶に影響しやすい傾向も確認され、売り上げへの関連が指摘されている。時間帯ごとの遊び方の分析では、朝よりも夜間の集中度が高いことがわかり、これらを総合すると夜間に家庭用機に広告配信することで、より高い効果が得られると推測されている。

どんな広告なら受け入れられるのか?嫌われない条件とは

調査では広告に対して自分の行動を妨げない形式を求めていることも明らかになった。ユーザーの40%はゲームプレイを妨げない表示を求め、54%はオプトイン形式を望むことが示された。

広告の自然な配置を望む意見も多く、環境に溶け込む広告が評判の向上につながる可能性がある。実際にMicrosoftとActivision Blizzardの作品における広告は高品質な印象を与えるという回答が多く、ゲームと広告の融和は対象ブランドへの印象が良くなるという傾向が示されている。

広告表現はどう変わるべきか?プラットフォーム別の違い

広告表現の作り方にも変化が求められている。ゲームはリラックス、幸福感、満足感、没入感をもたらすことが調査から明らかで、一部のゲームは主要なソーシャルプラットフォームを上回るポジティブな感情を呼び起こすことが特定された。

この感情状態はプラットフォームごとに異なる傾向を醸成しており、家庭用機では品質、信頼性が強く結び付き、PCでは知的な印象や戦略性が関連しやすいという結果が示された。つまり、プラットフォームごとに異なる価値が形成されており、広告表現はその特徴に合わせることで、高い相乗効果を得られる可能性がある。

作品との相性も成果を左右する。特定の作品に親しみを持つ人は、関連する広告に対して肯定的な反応を示しやすく、購入意欲や好意的な印象が高まりやすい傾向が確認された。レース作品と自動車関連の広告や、家庭用機やモバイル作品と食品・日用品の広告が結び付いた場合に評価が高まるなど、環境との相性が成果を押し上げる構造が明らかになっている。

今後の広告戦略はどう変わる?ゲームは主流になるのか

今回の調査は、プラットフォームごとに最適な表現の広告を配信することで、1日を通してユーザーに効果的な影響を与え続けることが可能なことを示している。Microsoftは今後の広告展開が複数のプラットフォームを横断し、環境に自然に溶け込む形を中心にすると見ている。

同社のプラットフォームは幅広い作品群と安全性の高い環境を備え、人々との関係を築くための基盤として機能すると説明し、未来は同社ゲームプラットフォームにあると力説している。