NECビッグローブと博報堂は5日、行動ターゲティング広告分野で協業することを発表した。今回の協業発足にあわせ、両社は行動ターゲティング広告配信実験を実施し、その結果を報告している。

実験期間は1月29日~2月18日。BIGLOBEのサイト視聴者の中から、期間中に行動履歴の取れた200万人のうち、車に関心があるユーザーを関心領域ごとにグループ化して実施した。

実験では、モニターを「自動車に関心がある」、「自動車メーカーA社(広告主)に関心がある」、「特定の車種に関心がある」など14のグループに分類し、それぞれのグループごとにモニターの関心がありそうな広告を配信したという。グループに分類されなかった視聴者にも同様の広告を配信し、関心があるモニターと関心がないモニター、それぞれの広告に対する反応率を分析した。

実験では事前にモニターの属性や検索履歴、サイト内の行動履歴を収集したうえで、モニターの関心にマッチした広告を配信した。以下が実験結果である。

1. 「行動ターゲティングにより広告のクリック率が大幅向上」

行動ターゲティング広告は、これを実施しなかった広告と比べ、クリック率は平均1.6倍であった。また、特定の車種に関心を持つ層など、対象広告に対して関心があるグループでは、同約4.1倍のクリック率を観測したという。両社は、モニターの行動履歴に基づいた広告のターゲティング配信は、広告閲覧率を上げるために効果的であることを実証したとしている。

2. 「行動ターゲティング広告は、より能動的な情報収集をするユーザの獲得に有効」

両社は広告に反応してクリックしたモニターが、その後の行動でサイト内において情報収集行動を能動的に行っていることを確認したとしている。車種の情報掲載ページへのアクセス率は、通常のバナー広告と比べて11.1倍を記録し、販売店検索ページにおいては30.2倍を記録したという。

3 「行動ターゲティング広告を配信したユーザは、広告配信終了後の訪問率が高い」

実証実験では、対象となったモニターの広告配信終了後の動向を把握・分析した。その結果、広告配信終了の2週間後、サイト訪問数が最も多いグループでは、通常のバナー広告と比べて5.8倍の訪問数を記録した。これにより、ターゲティングされたユーザは広告配信後も再度広告サイトに訪問する可能性が高いことが実証されたとしている。

実証結果を受け、NECビッグローブは、6月から行動ターゲティング広告商品の発売を予定している。