ふるさと納税は、自治体に寄附することで所得税や住民税の控除を受けられるお得な制度です。
毎年欠かさずふるさと納税している方の中には、これから育児休暇(育休)を取得する予定の方もいるかと思います。
収入が減る育休中でもふるさと納税できるかどうか、疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと「ふるさと納税は育休中でもできます!」
ですが、育休中にふるさと納税する場合はいくつか注意点があります。
この記事では、育休中でも損せずお得にふるさと納税を行うポイントについて、詳しく解説していきます。
ふるさと納税は育休中でもできる!
ふるさと納税自体は自治体への寄付ですので、しようと思えば誰でもいくらでもできます。
それは育休中の方でも変わりません。
ですが、それはあくまで損得抜きにして寄附をメインに考えた場合のことです。
お得にふるさと納税するのであれば、育休を取得する期間・タイミングや、税額控除される限度額について理解する必要があります。
まずはふるさと納税のしくみを簡単におさらいしながら、育休中にふるさと納税する際の注意点を見ていきましょう!
ふるさと納税のしくみを簡単におさらい!
ふるさと納税は、自治体に寄附をすることで税額控除(住民税や所得税の控除)を受けることができ、さらに自治体から返礼品がもらえるというお得な制度。
税額控除については、年間の寄附額の合計から自己負担金の2,000円を除いた額が翌年全て戻ってくるという、他の制度にはない特別なしくみになっています。
つまり、2,000円を支払うことで翌年の税金を前払いすることができるというわけです。
そしてさらに、寄附した自治体から返礼品がもらえるというのがふるさと納税最大の魅力!
会社員であればワンストップ特例制度が利用できるので、簡単な手続きで翌年の住民税から控除が受けられるというのも人気のポイントとなっています。
できるかぎり利用したいお得な制度ではありますが、税金が控除される額には限度があり、ふるさと納税をする年の収入によって限度額が変わります。
では、次の項目でふるさと納税の控除限度額について解説していきましょう!
ふるさと納税の控除限度額とは?
ふるさと納税としての自治体への寄附はいくらでもできますが、その寄附によって税額控除を受けられる上限が「控除限度額」というもの。
控除限度額は収入や家族構成によって人それぞれ異なり、基本的に年収が多いほど控除限度額は高く設定されています。
控除限度額内であれば自己負担は2000円で、2000円を超える額は全て翌年の税金から控除されるというしくみです。
- 例:控除限度額20000円の人が20000円のふるさと納税をした場合
- 2000円を自己負担分として支払い、自己負担を除いた18000円が翌年の税額から控除される
税額控除を受けられるのはあくまで控除限度額までとなりますので、控除限度額を超えて寄附した場合、超えた分は全て自己負担に加算されます。
- 例:限度額20000円の人が40000円のふるさと納税をした場合
- 限度額を超えた20000円は控除の対象外なので、限度額から自己負担の2000円を除いた18000円が翌年の税金から控除され、自己負担の合計は22000円ということに
育休中は給与が無い状態ですので、育休を取得した年は前年よりも年収が少なくなります。
その分、控除限度額も低くなってしまうのです。
前年の年収から控除限度額の目安を算出してしまうと、限度額をオーバーして自己負担が大きくなってしまう可能性もあります。
育休中にふるさと納税する場合は、無給となる育休の期間を考慮した上で年収を割り出し、控除限度額を改めて計算するようにしましょう。
控除限度額の確認方法は?
控除限度額は、ふるさと納税をする年の年収(1月1日から12月31日までの収入)と、ふるさと納税する人の家族構成などによって計算されます。
総務省のホームページに記載のある控除限度額の目安一覧表を見てみましょう。
参照:総務省-ふるさと納税の仕組み-税金の控除について
中学生以下の子供は(控除額に影響がないため)限度額の計算に入れる必要がないとの記載があります。
育休を取得する場合、赤ちゃんは計算には入りませんので、家族構成は「夫婦」の欄を参照してください。
一覧表を見ると、育休中の無給期間を除いて、その年の年収が300万円になる場合の控除限度額は19000円ということに。
控除限度額の確認は一覧表でもできますが、簡単に限度額がわかるシミュレーターの活用も便利でおすすめです。
マイナビふるさと納税では、年収と家族構成を選択するだけの「かんたんシミュレーション」と、より詳細な計算ができる「詳細シミュレーション」があります。
控除限度額の確認にぜひ活用してみてください!
控除限度額の目安はほとんどが年収300万円を下限として表記していますが、育休期間が長くなれば年収が300万円を下回ることもあるかもしれません。
そのほか、育休を取るタイミングなどによっても控除限度額に影響が出てきますので、次の項目で注意するポイントを詳しく解説していきましょう。
育休中にふるさと納税をする際の4つのポイント!
この項目では、育休中にふるさと納税をする際に注意する点を解説していきます。
重要なポイントは4つ!
では、それぞれの項目を詳しく見ていきましょう!
収入がないと税金の控除は受けられないので注意
ふるさと納税のお得なポイントは、寄附した全額から自己負担2,000円を差し引いた金額が翌年の税額控除が受けられるということ。
ですが、収入が無く納税をしていない場合、控除の対象となる税金が無いので、そもそも控除を受けることができません。
税金の控除を受けることができない状態でのふるさと納税は、寄附金が全て自己負担になってしまうのです。
男性の場合、育休の取得とその期間は年々伸びているものの、2023年の取得日数平均は1ヵ月半程といわれています。
参照:厚生労働省-令和5年度男性の育児休業等取得率の好評状況調査
短い期間の育休であれば年収への影響は少なく、ふるさと納税をする年に収入を得ているので、翌年の税額控除を受けることは可能です。
ただし、年収が減ることで前年よりも控除限度額が少なくなるということは理解する必要があります。
短期間の育休であれば育休中の無給期間を考慮し、その年の控除限度額を改めて算出してからふるさと納税をするようにしましょう。
対して女性の場合は、産休(産前・産後休業)から育休まで含めると、平均的に1年から1年半くらい仕事を休むことになります。
1月から12月までの丸1年が産休・育休の期間に収まる場合は、ふるさと納税の限度額計算の際の年収が無いため、控除の対象となる税金がありません。
したがって、産休・育休に入るタイミングや期間によっては、ふるさと納税自体はできてもそれは全て自己負担になってしまうのです。
このように、産休・育休によって年間の収入が無くなる場合、または長期間の育休で年収が激減する場合は、ふるさと納税をすることはおすすめしません。
育休でもらえる手当は収入に含まれないので注意
会社員の場合、育休中の給与は無くなりますが、育休手当(育児休業給付金)が支給されます。
ですが、この育休手当は非課税ですので、ふるさと納税の限度額を計算するうえで年間の収入に加えることはできません。
手当という形でお金が入るので「収入がある」と思ってしまうかもしれませんが、非課税の手当ては収入にならないため注意が必要です。
控除限度額の目安を算出する際には、育休中の手当(育児休業給付金)は加算せず、収入が無いものとして計算しましょう。
収入が減る育休中の控除限度額に注意
ふるさと納税における「寄附額と返礼品の価値」の関係を見てみましょう。
自治体が返礼品を調達する際の額は、寄附額の30%までと決められています。
例えば、寄附額10,000円の返礼品は調達額が3,000円まででなければならない、ということです。
寄附額が低くなると返礼品の価値が自己負担の2000円以下になってくるので、額面だけで言うと損をしていることになってしまいます。
では、夫婦の場合損になってしまう控除限度額はいくらになるのか、年収との関係から目安を見てみましょう。
・年収200万円の場合、控除限度額は6,000円程。
寄附額6,000円の返礼品の調達額、つまり市場での価値は1,800円(6,000円の30%)程です。
2,000円支払って1,800円程の品物を受け取ることになりますので、額面だけで考えると「損」ということになります。
・年収250万であれば控除限度額は13,000円程。
寄附額13,000円の調達額は3,900円程ですので、2,000円支払ってもおよそ倍の価値の品物を受け取れるというわけです。
このように、あくまで目安ではありますが、年収250万円程がふるさと納税で損しないラインと考えられます。
参照:ふるさと納税をして損する年収っていくら?その理由も詳しく解説!
育休中で収入が減っても、その年の収入が250万円を超えるのであれば「お得」。
年収が200万円程になる場合はお得とは言えないので、仕事に復帰して年収が安定してからふるさと納税することをおすすめします。
育休を取得するタイミングと期間に注意
ふるさと納税の税額控除は、ふるさと納税をする年(1月1日から12月31日まで)の1年間の収入で限度額が計算されます。
短期間の育休であれば収入が無くなる期間も短いので年収への影響は少なく、取得タイミングはそこまで気にする必要はありません。
ですが、女性の場合は産休から続けての育休取得で1年から1年半程は無給状態になってしまいます。
この項目では育休を1年間取得する場合の、取得タイミングによるふるさと納税への影響を解説していきましょう。
男性でも近年は育休を取得できる環境が整備されつつあります。
男性で長期間の育休を検討している方もぜひ参考にしてみてください。
- ふるさと納税の控除額を計算する際の「その年の年収」が全く無くなりますので、ふるさと納税による翌年の税額控除は受けることができません。
ふるさと納税自体はできますが、全て自己負担の寄附になるのでお得ということにはなりません。
- 11ヶ月分の収入があるので、育休を取得開始する年にふるさと納税をしても翌年の税額控除は問題なく受けることができます。
ですが、翌年は1月から11月までが無給、12月分の給与が年収ということになりますので、その翌年の税額控除を受けることは期待できません。
つまり、育休取得開始の翌年については、ふるさと納税はしないほうがよいでしょう。
- 育休前の1月から5月、翌年に育休明けの6月から12月、それぞれ半年分の収入が発生しています。
年収としては少なくなりますが、両年ともに収入があり、それぞれの翌年の税額控除は受けることが可能。
前項に解説した「損する年収」から、例年の半年分の年収が250万円を超えるようであれば、両年ともふるさと納税はお得にすることができるわけです。
このように、育休を取るタイミングや期間によって、ふるさと納税できる年・しないほうがよい年というのが出てきます。
育休取得によってふるさと納税する年の年収がどうなるのか、そのときの控除限度額がいくらになるのか、しっかり理解してから寄附を検討しましょう!
育休中のふるさと納税おすすめ返礼品を紹介
育休中は何かと時間が制限されますので、必要な買い出しにも自由に動けないことが多いかと思います。
育休中にふるさと納税をするのであれば、育児用品や日用品を選んでみてはいかがでしょうか?
大量に使用する赤ちゃん用品や、赤ちゃんと一緒だと持ち帰りが大変なお米など、ふるさと納税では様々ジャンルのものが取り扱われています。
量が多くても重くても返礼品は家に届きますので、外に買い出しに行く手間も省けて便利ですよ!
それでは、育休中におすすめのふるさと納税返礼品を3つ紹介していきましょう!
おむつ ムーニー Sサイズ 70枚×2パックセット
まずはじめに、ユニ・チャームのテープタイプのおむつ「ムーニー」を紹介します。
繊細な赤ちゃんの肌にも安心な「エアシルキー素材」を採用しており、骨格に合わせてフィットする作りで締め付けず優しく包み込むようになっています。
毎日使うものですので、大容量のセットが返礼品で届くのは嬉しいですね。
こちらの返礼品以外にも、様々なサイズ・種類のおむつが取り扱われていますので、普段使っているものがあるかチェックしてみてください!
ムーニー おしりふき 詰め替え76枚3個パック×8個セット
次に、こちらも育休中に大活躍してくれる「おしりふき」の大容量セット返礼品です。
弾力のあるクッション層をやわらかなカシミアタッチ層で包んだ素材を使用していますので、肌に優しくきれいに拭き取ることができます。
こちらも他に取り扱いが多く、育児はもちろんアウトドアや災害時、ペットのお世話など様々なシーンで利用できますので、普段からストックしておくのも良いですね!
【3回定期便】無洗米 福岡県産 「夢つくし」 10kg(5kg×2袋)×3回 合計30kg
最後は福岡県のブランド米「夢つくし」が毎月10kg、合計30kg届く定期便の返礼品を紹介します。
「夢つくし」は、美味しさに定評がある全国的に有名な「コシヒカリ」と、炊きあがりが絹のように白い「キヌヒカリ」の良いところだけを受け継いで生まれた福岡県のお米です。
育休中に重いお米の買い出しは大変ですし、無洗米は家事の時短にもつながりますので、毎月家に届くお米の定期便は便利でおすすめですよ!
まとめ
今回の記事では、ふるさと納税は育休中でもできるのか解説してきました。
ふるさと納税自体は「自治体への寄付」ですので、誰でもいつでも、もちろん育休中でも行うことができます。
ですが、ふるさと納税による税額控除を受けてお得に寄附するには、注意しなければならない点があります。
育休取得により年収が大きく下がる場合や育休を取得したタイミングなどによってお得にならない場合は、仕事に復帰して年収が安定してからふるさと納税したほうがよいでしょう。
ふるさと納税を毎年行っているのであれば、育休を取得していてもできるだけ続けていきたいですよね。
ポイントを理解していれば育休中でもお得にふるさと納税できますので、ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね!
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