オーストリアで実際に起きた殺人鬼ヴェルナー・クニーセクによる一家惨殺事件を映画化した『アングスト/不安 4K』(公開中 配給:アンプラグド)の本国予告編と不安物販が公開され、粗品内容も発表となった。

実録スリラー『アングスト/不安 4K』の本国予告編と不安物販が公開され、粗品内容も発表。写真のパンフレットは1,500円。2020年公開当時のパンフレットに加え、Blu-ray付属ブックレットからの引用や、ジェラルド・カーグル監督の新規メッセージ、新規インタビュー、作家の平山夢明による寄稿文などが掲載された作品に関する完全資料48ページ

実録スリラー『アングスト/不安 4K』の本国予告編と不安物販が公開され、粗品内容も発表。写真のパンフレットは1,500円。2020年公開当時のパンフレットに加え、Blu-ray付属ブックレットからの引用や、ジェラルド・カーグル監督の新規メッセージ、新規インタビュー、作家の平山夢明による寄稿文などが掲載された作品に関する完全資料48ページ

『アングスト/不安 4K』は、1980年にオーストリアで実際に起きた殺人鬼ヴェルナー・クニーセクによる一家惨殺事件を映画化。刑務所出所後の殺人鬼が感じる不安やプレッシャーによる異様な行動と心理状態を凶暴かつ冷酷非情なタッチと斬新なカメラワークを用いて表現。殺人鬼自身のモノローグで綴る構造や全編に徹底された陰鬱なトーンなど、作品自体が「異常」であり、他に類を見ない芸術性を発揮した衝撃的作品である。

アメリカの映画サイト"Taste of Cinema"が選ぶ「史上最もダークなシリアルキラー映画」では、『ヘンリー』(1986)、『セブン』(1995)、『ハウス・ジャック・ビルト』(2018)などを抑え、堂々の1位を獲得している。広義で「おそろしい映画」としては、『悪魔のいけにえ』(1974)が放つ存在感と同次元で語られ、世界的に唯一無二の傑作として捉えられている。ギャスパー・ノエ監督も「60回は観た」と公言し、『CLIMAX クライマックス』(1918)、『カルネ』(1994)などの自身の作品でもオマージュを捧げたという。しかし、83年公開当時はそのショッキングすぎる凄まじい内容により本国オーストリアでは1週間で上映打ち切り、他ヨーロッパでも上映禁止、イギリスとドイツではビデオの発売も禁止。アメリカではXXX指定を受けて配給会社が逃げたという。日本でも劇場公開されず『鮮血と絶叫のメロディー/引き裂かれた夜』というタイトルで1988年にレンタル用VHSが発売されたが、世の中に出回った数は極少、ほぼ誰にも観られることなく地下に埋もれ、以降観たくても観られない作品となっていた。そして2020年、新型コロナウイルス感染症による混沌とした社会情勢のなかで突如、日本劇場初公開。異様な興奮状態にある主人公Kの様相が公開前から注目を集め、予告編に良かれと思いスタッフが入れた愛らしい犬が「犬は無事なのか?」「犬の安否が心配」とSNSの愛犬家たちの不安を煽ってしまうという事態が発生。公開初週には、シネマート新宿とシネマート心斎橋にて14回連続満席の大ヒットスタートを記録した。

監督は、殺人鬼の心理を探るという崇高な野心のもと全額自費で本作を製作したジェラルド・カーグル。本作はその唯一の監督作品である。観る者を冷徹な世界へ誘う、不穏なエレクトロサウンドを手掛けたのは、元タンジェリン・ドリーム、アシュ・ラ・テンペルの作曲家クラウス・シュルツ。また、殺人鬼が内に秘めた「不安」をアーティスティックなカメラワークで映し出したのは、アカデミー賞最優秀短編アニメ賞を獲得した『タンゴ』(1981)やジョン・レノン、ミック・ジャガーらのMVで知られる世界的な映像作家ズビグニェフ・リプチンスキ。

今回の4Kレストア素材は、ジェラルド・カーグル監督がオーストリア映画アーカイヴからの長年に渡る本作への熱意と復元の申し出を受けて実現したもの。カーグル監督監修のもと、傷やノイズの軽減はもちろんのこと、画面の揺れを安定させ、色彩の調整やコントラストを改善させた。この4K素材での日本公開のため、本作の権利者であるカーグル監督が自ら本編素材を手配することになっていたが、月日が経過してもなかなか届かず、全関係者は文字通り不安に包まれていた。そしてついに先日、無事に本編素材が到着。異常な緊張感のなか、異常な速度で公開準備を進め、ついに緊急不安公開に至った。

今回公開となったのは、ジェラルド・カーグル監督より突如、1983年のオーストリア版本国予告編2種が送られてきたため、日本語字幕を入れたもの。ともに新聞記事が映されつつ「恐怖の夜」というナレーションで物々しく始まり、「アングスト」とサブリミナル的に連呼しつつやがて暗い地下道で絶叫が響く「絶叫ver.」と、狂人K.が森林を疾走する「森林ver.」へと分かれていくというストイックな内容。カーグル監督はメールでの口数が極端に少ないため、それ以上の情報は無いが、非常に恐ろしい内容が伝わる予告編となっている。

また、今回販売となる不安物販内容は以下の通り。内容充実のパンフレットのほか、今回のビジュアルを使ったTシャツ、そして初公開当時のTシャツ2種(犬無事Tシャツ、TシャツC)のTシャツ計3種、アクリルキーホルダー、アクリルスタンドが用意されている。パンフレット以外の商品取り扱いについて、11月6日の初日からの販売劇場は、シネマート新宿、テアトル梅田のみ。そのほかは随時告知となる。なお、犬無事Tシャツとアクリルキーホルダー、アクリルスタンドは11月6日当日にシネマート新宿とテアトル梅田に緊急不安納品となるため、到着次第の発売となる。緊急不安入稿による緊急不安劇場直納品──果たしてすべてのアイテムが揃うのは何時になるのか、それも含めて不安の幕開けとなる。

  • 新不安Tシャツ/4,500円

    新不安Tシャツ/4,500円

  • 犬無事Tシャツ/4,000円

    犬無事Tシャツ/4,000円

  • TシャツC/5,000円

    TシャツC/5,000円

  • 不安アクリルスタンド/2,500円

    不安アクリルスタンド/2,500円

  • 不安キーホルダー/1,000円

    不安キーホルダー/1,000円

そして、以前より公開してきた『ヘンリー』と『エヴィレンコ』から続いてきた<指定特別手配・史上最悪の連続殺人鬼 殲滅キャンペーン>の粗品内容もついに発表され、粗品タオル、実際の犯罪記録粗悪コピーとなることが明らかとなった。以前より配布していた指定特別手配書に、劇場印を3作品分集めると、1人1点、先着でこのセットが渡される

■ストーリー
刑務所を出所した殺人鬼が、途端に見境のない行動に出る。

■出演者
アーウィン・レダー
シルヴィア・ラベンレイター
エディット・ロゼット
ルドルフ・ゲッツ

■スタッフ
監督:ジェラルド・カーグル
撮影・編集:ズビグニェフ・リプチンスキ
音楽:クラウス・シュルツ

©1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion