『逆転のトライアングル』 『ベイビーガール』で一躍ハリウッドスターの仲間入りを果たしたハリス・ディキンソンの初長編映画監督デビュー作『URCHIN/アーチン』(2026年10月23日公開 配給:スターキャットアルバトロス・フィルム)の監督インタビューが公開となった。また、Tシャツやパンフレットが当たる、感想(川柳)投稿キャンペーンの実施が決定した。
『URCHIN/アーチン』は、ロンドンの路上で暮らすマイク(フランク・ディレイン)の不安定な生活と、そこからの脱却と自己破壊の悪循環に抗う姿を描いヒューマンドラマ。昨年の第78回カンヌ国際映画祭<ある視点>部門で主演のフランク・ディレインが最優秀男優賞を受賞、あわせて国際批評家連盟賞にも輝き、作品賞にもノミネートされた。監督のハリス・ディキンソンは同映画祭の最も優れた新人監督の長編デビュー作に贈られるカメラ・ドール賞にノミネートされ、彗星のごとく華々しい監督デビューを飾った。
タイトルの"URCHIN/アーチン"は、社会に居場所を作れない、はみ出し者を意味する。俳優としてのキャリアを築きながら、映画監督という夢を抱いていたハリス・ディキンソンは、彼が実際に依存者や路上生活者の支援団体をサポートしてきた経験からテーマの着想を得た。「社会の隙間に落ちた人々」と「そこから抜け出せない社会システム」を描きながら、善意や教訓を押し付けずあくまで「観察」に徹したハリスの眼差しが、ジレンマから抜け出せない人々の、どうしようもない、でも目が離せない人生を、ユーモラスに浮かび上がらせる。
この度、ハリス・ディキンソン監督のインタビューが公開となった。
—映画を作るにあたって何からインスピレーションを受けたのでしょうか?
ハリス・ディキンソン 私の地元では、薬物やホームレスなどの問題を抱える人々が身の回りにいました。彼らがどれだけ現状から抜け出そうとしても、結局また同じ場所へ戻ってしまう負の連鎖を目の当たりにしながら育ったのです。これに加え、2019年頃私は政治のあり方にすっかり幻滅し、もっと実践的に行動したいと感じ始めました。そこで地元のコミュニティやロンドン中心部での支援活動に関わり出し、ホームレスの人々がいかに社会制度の隙間に取り残され、脆弱な立場に置かれているかを本当の意味で理解するようになったのです。
—脚本も自身で書かれていますね?
ハリス・ディキンソン 脚本を書くことで、目にした現状をより深く理解したかったのです。書いているうちに、今度は地元で暮らす一人の若者に焦点あてた物語を描きたいという思いが湧き上がってきました。私は、保護観察制度や精神保健の専門家、刑務所改革に携わる人々から助言を受けながら検証を重ね、ようやく納得のいく脚本を完成させることができました。核にあるのは、"繰り返される行動の連鎖"です。人はなぜ同じ過ちや選択を繰り返すのか。観客が自ずと主人公の旅路を追体験でき、彼とともに笑い、彼とともにつまずき、転落する感覚を味わって欲しいと思っています。
—影響を受けた監督や、目指そうとしたスタイルはありますか?
ハリス・ディキンソン マイク・リー、ケン・ローチ、シェーン・メドウズは私にとってまさに原点です。いずれも鋭い政治的視点を持つ映画作家であり、映画史においても極めて重要だと思っています。ただし、労働者階級の人々の切実な状況について描く映画は、時に重苦しくなりがちです。私は社会問題を描きながらもユーモアがあって、一人の人間にしっかりと寄り添った物語を目指しました。
—主演フランク・ディレインの存在感には目を見張るものがありました。
ハリス・ディキンソン フランクは撮影の7〜8か月前から役作りの準備を進めてくれました。とにかく、強烈なキャラクター・スタディ(人物の深掘り)にしたかったんです。フランクには人を惹きつける魅力があり、観客が「こいつ、どうしようもないな……」と思いながらも共感できる軽やかさを役にもたらしてくれました。
—監督は、路上生活仲間のネイサン役を演じられましたが、監督と俳優の両立は困難ではなかったですか。
ハリス・ディキンソン 最初から自分がやる予定ではなかったのですが、元々のキャストが撮影の1週間前に降板してしまって……。新しい俳優を、すでに出来上がっている現場に迎えるというのは、かなりハードルが高いので、自分でやってしまうのが一番いいと結論をだしました。とはいえ、やはり大変でした……。絶えずモードを切り替える必要がありましたから。例えば、ストラトフォードでのシーンで、マイクと取っ組み合いの喧嘩をしている最中に、私が「カット!」と言って……立ち上がってフランクに「今のシーンはどうだった?」なんて確認したりするんです。もう、めちゃくちゃな状況ですよ(笑)。
—それは仕切るのは大変そうですね(笑)
ハリス・ディキンソン あのヘビのエサやりのシーンでは、ネイサンは白いブリーフ姿の予定だったんです。でも自分が演じることになり衣装担当のコービーに「僕は白いブリーフだけは絶対に履かないからね。そこははっきりさせておきたい」って言ったら、彼は「えっ!変えるの?」って驚いていました。それはあくまで元の設定で、「監督もやる僕になった時点でそれはナシだ」とハッキリ言いました(笑)。
また、公開を記念して、Tシャツやパンフレットが当たる、感想(川柳)投稿キャンペーンがスタートした。映画公式サイト内の専用フォームから、本作の場面カットへ直接、感想川柳を書き込んだ画像の投稿ができるようになっている(映画ライターのSYOと牛津厚信からの川柳カードを参考に掲載する)。川柳を投稿すると、抽選で、セレクトブティック『Sister』のインスパイアTシャツやポスター型パンフレットがプレゼントされる。 キャンペーン期間は11月10日まで。詳細は、投稿ページで確認いただきたい。
■ストーリー
ロンドンの路上で暮らすマイクは、今日も通行人に小銭をせびったり、炊き出しに並んだりと忙しい。 そんなある日、親切にしてくれた男性から衝動的に金品を奪い、逮捕されてしまう。 出所後は再生を誓うも、順調な生活はふとした拍子に脆く崩れていく。転落真っ只中のマイクを待つのは 破滅か、それとも……。
■出演者(役名:俳優名)
マイク:フランク・ディレイン
アンドレア:メーガン・ノーサム
ネイサン:ハリス・ディキンソン
■スタッフ
監督・脚本:ハリス・ディキンソン
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