全州国際映画祭で特別部門ドキュメンタリー賞を受賞した韓国ドキュメンタリー『済州島 声たち(チェジュとう こえたち)』(2026年11月7日公開 配給:ストロール)の本編映像が公開となった。

  • 「済州4・3」事件を題材としたドキュメンタリー『済州島 声たち』の本編映像が公開

    「済州4・3」事件を題材としたドキュメンタリー『済州島 声たち』の本編映像が公開

『済州島 声たち』は、1947年3月1日から54年9月21日までの7年7か月にわたり、国家権力によって韓国・済州島の島民が弾圧され、推定2万5千人から3万人が命を落としたとされる「済州4・3」事件を題材としたドキュメンタリー。この事件を描いた映画『済州島四・三事件 ハラン』(2025)が本年4月に日本公開されるや連日満席となり話題を呼んだことも記憶に新しい。

日本でも知られるようになったこの惨劇は、韓国の軍事政権下で長い間語られることなく隠蔽され、50年近い年月を経た2000年にようやく真相究明と犠牲者の名誉回復がなされることとなった。しかし、犠牲者の2割を占めた女性たちが受けた性暴力被害は積極的に語られることはなく、その証言が可視化されるようになったのは2019年になってからだった。本ドキュメンタリーは、献身的な4・3研究者の聞き取り作業に同行し、生き延びた4人の女性たちの証言を軸に、国家権力と家父長制という二重の暴力にさらされた女性たちの被害とその後の苦難の道のり、そしてそこから浮かび上がる恐るべき2つの事件に迫る。

この度公開となった本編映像は、4・3の際、逃亡した父を理由に「逃避者の家族」との烙印を押された、当時16歳だったコ・ジョンジャさんによる証言シーン。「逃避者の家族」は抹殺しろとの命令が下され、家で姉といたところ、年上という理由で姉だけが連行され、軍人によって17人の人たちが一列に並べられたという。「笛の音が鳴りやむと見ていられずうつむき、それで全てが終わってしまった」とコ・ジョンジャさんは語る。これまで女性たちが受けた被害は公式な被害として1件も記録されておらず、その後の苦難の道のりについても積極的に語られてこなかった。こういった物語をドキュメンタリーで記録しようとしたチ・ヘウォン監督は「なぜおばあさんたちやその家族は、申告しなかったのか。それは申告できない社会的な雰囲気があったからだと思います。したくなかったのではなく、できなかったのです。言葉にすることができなかったこと、沈黙せざるを得なかったこと、そして沈黙を強いられてきたこと。その結果として公式に記録されなかった歴史を、ドキュメンタリーを通して伝えたいと思いました」と述べている。

また、公開にあわせて、本作の監督、チ・ヘウォンが来日し、東京、大阪、京都を訪れ、舞台挨拶を行うことが決定している。公開前日となる11月6日には韓国書籍専門のブックカフェ「CHEKCCORI(チェッコリ)」でスペシャルトークイベント、また公開を迎えた11月7日から8日には、東京、大阪、京都の全国3都市の映画館を訪れ、舞台挨拶を実施する。

さらに公式サイトでは、各界著名人から寄せられたコメントが掲出されている。こちらもあわせてチェックいただきたい。

■ストーリー
国家権力によって韓国・済州島の島民が弾圧され、推定2万5千人から3万人が命を落としたとされる「済州4・3」事件。この惨劇は、韓国の軍事政権下で長い間語られることなく隠蔽され、50年近い年月を経た2000年にようやく真相究明と犠牲者の名誉回復がなされることとなった。しかし、犠牲者の2割を占めた女性たちが受けた性暴力被害は積極的に語られることはなく、その証言が可視化されるようになったのは2019年になってからだった。

■出演者
コ・ジョンジャ
キム・ヨンヨル
キム・ウンスン
ホン・スンゴン
チョ・ジョンヒ

■スタッフ
監督:チ・へウォン
プロデューサー:キム・オギョン
共同プロデューサー:キム・ソナ

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