パナソニック コネクトは4月14日、堅牢PC「タフブック」の新製品を発表した。タフブック(TOUGHBOOK)は建設現場や屋外作業といった過酷な現場に耐えうる性能を備えたノートPC。今回、14型のFZ-56(2026年6月発売)と、FZ-40(2026年4月発売)の2製品が登場した。
衝撃・粉塵・水にも耐えるタフブックの実力
まずはタフブックがどのくらい頑丈なのか、発表会場で行われたデモ実演から見ていこう。
タフブックは耐衝撃/振動/防塵・防滴/高温・低温といった頑丈性能を備えたノートPC。その歴史は古く、1996年に初代モデル(TOUGHBOOK 25)から数えると2026年で30周年を迎えた。昨年2025年は売上、販売台数ともに過去最高を達成したという。
ちなみにタフブック自体は米国が最も販売台数・売上ともに多いが、ヨーロッパや日本でもまだ成長の余地があると見込んでいる。例えば粉じんが舞う製造現場など、タフブックが必要とされる現場へ訴求していく考えだ。
「現場を止めない」思想で進化した新世代モデル
今回発表された新製品FZ-56とFZ-40は、過酷な環境下での圧倒的な堅牢性、長時間駆動、柔軟な拡張性を進化させ、同製品のミッションである「現場を止めない」を実現するもの。
執行役員 ヴァイス・プレジデント モバイルソリューションズ事業部 マネージングダイレクターの青木秀介氏は、堅牢、長時間駆動、拡張性は相反する要素だが、FZ-56とFZ-40は高いレベルで克服したと自信を示した。
日本の現場の多くで、PC停止による業務中断が発生しているという。具体的には衝撃による破損や、粉じん・水による故障、高温・低温での動作不良、充電不可環境でのバッテリー切れなどだ。FZ-56とFZ-40は従来からの技術の蓄積により、これらPC停止の原因を防ぐ頑丈PCとなっている。
軽量なFZ-56と最強のFZ-40、役割の違いは?
FZ-56は重さ約2.27kgからと、クラムシェル型タフブックの中では軽量。同社PC「レッツノート」に近い可搬性を持たせつつ、より高い堅牢性を備えたモデルだ。
車両整備工場(予期せぬ衝撃)や食品製造現場(粉塵)、建築現場(土ぼこり)、貨物ターミナル(水しぶき)、炎天下や冷蔵倉庫(温度変化)といったハードな作業環境を想定して開発した。
またFZ-40は“シリーズ最強”としてFZ-56より高い堅牢性を備えたモデル。警察や消防、災害現場など、停止が許されない、社会インフラを支える現場で安定稼働するよう作られた。
FZ-56では90cm落下試験やIP53基準に耐える防塵防滴試験を、FZ-40では180cm落下試験やIP66基準に耐える防塵防滴試験をクリア。いずれも落としても壊れにくい筐体構造シミュレーション経て開発され、X型立体フォルムと内部の補強リブで強化したマグネシウム天板、破損や抜けを低減する構造のコネクタ、基板を避けて水が排水できる水抜き穴などを採用している。
Intel Core Ultra シリーズ2搭載で処理性能を確保
一方でオフィスワークとの両立も目指し、Intel Core Ultra シリーズ2プロセッサを新採用することで、PC自体も高い処理性能を確保したとする。
バッテリー容量は68Whで、従来と同じ。新プロセッサの採用やCPU設定のチューニング、低消費電力の液晶などにより、JEITA 3.0(動画再生時)計測のバッテリー駆動時間を従来から約1.5時間伸ばした約13.5時間(FZ-56)/約13時間(FZ-40)とした。新たに、ディスクリートGPU搭載モデルも用意されている。
内部の拡張性も高く、FZ-56で3カ所、FZ-40で4カ所の拡張エリアを設けた。光学ドライブや2.5G LAN、VGAやシリアルポートといった拡張インタフェース、追加バッテリーパックなどを追加導入できる。2機種ともに、電源を入れたままバッテリーパックを交換できるホットスワップにも対応する。
ディスプレイは2モデルとも14型で、屋外でも図面や作業指示などが確認できるよう最大1,000cd/平方メートル以上の高輝度表示に加え、夜間の屋外利用など低照度でも見やすい最小1cd/平方メートルの輝度調整に対応した。
このほか2機種共通の新機能として、1カンデラ手袋モードや水滴モード、タッチモード、ペンモードの入力を自動で切り替える「オートモード」が搭載されている。手袋を装着した後、わざわざ外してモードを切り替える必要がなくなった。
今回発表されたタフブック新製品は、大幅な刷新こそないものの、プロセッサの刷新や5G搭載モデルの提供、自動で入力モードを切り替える「オートモード」など、細かな使い勝手がブラッシュアップされている。
パナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部 共通技術総括部 プロジェクトマネジメント部 プロジェクトマネージャー 西村俊郎氏は「工夫を積み重ねられるのは、30年間現場を知り尽くし、お客様向けに進化したタフブックだからこそ。これからも現場を止めないために進化し続ける」とコメントした。
編集部メモ
パナソニック コネクトの執行役員 ヴァイス・プレジデント モバイルソリューションズ事業部 マネージングダイレクターを務める青木秀介氏は、2026年4月から同職に就任している。1998年に松下電器産業に入社後、国内の官公庁担当営業としてキャリアを開始、アメリカとドイツで17年間海外市場を担当し、各地域での課題解決に従事したという。青木氏はこれらの経験を活かし、パナソニック コネクト モバイルソリューション事業の発展に尽力したいと話した。
















