日本IBMは7月28日、四国化工機がAIラインピッキングシステム「STI-ALPS(エス・ティー・アイーアルプス:Shikokukakoki Tofu Inspection – AI Line Picking System)」を開発し、6月から同システムが稼働を開始したと発表した。

今回、STI-ALPSを導入したのは四国化工機の豆腐生産工場である「阿南食品工場新棟」。 STI-ALPSは、豆腐の割れや欠けを自動判定し検品を行うことが可能で、AIの学習と実行にIBMのサーバ「Power System AC922/IC922」と、コーディングや専門的なスキルを必要とせずブラウザ操作で簡単にAIの開発や実行ができる「IBM Maximo Visual Inspection」を活用している。

四国化工機では、これまでにも画像検査装置の導入を試みたが、良品・不良品を判定する項目すべてをルール化し設定する必要があり、豆腐の割れ目やくぼみ、欠けの大きさ・数・深さといった決まりのない形を設定し判別するのは非常に困難で、目視による検査が必要となっていた。

STI-ALPSは、大量の画像データをAI学習して良品・不良品の特徴をモデル化し、負荷の高い検品業務を自動化、省人化して製造ラインから自動的に取り除くことが可能。また、複数のカメラを活用することで、上面・側面・底面に加え、分割パックの内側も検査を可能としている。

これにより、これまで実施していた目視検査は1ライン3名体制で稼働していたが、無人稼働が可能になったという。

四国化工機は、検品の自動化により作業の速度や精度の向上、品質の安定、コスト削減を目指し、AIラインピッキングシステムに加え、ロボット装置や無人搬送のフォークリフトをと連動することで、不良品を排除して良品を箱詰めし、冷蔵倉庫に移動する作業の省人化を推進していくとしている。

同社では、主力製品の豆腐の品質向上と増産を目指しAIの活用に加え、複数のロボット装置や無人搬送のフォークリストを備えた阿南食品工場新棟を新しており、新棟はすべての機器の状況が一元管理できるIoTが導入され、2021年6月から本格的に稼働を開始している。