JAXAとヤマトホールディングスは12月18日、「空」の領域を効果的に活用した新たな物流サービスの導入に向け、物流電動垂直離着陸機（物流eVTOL）への装着および地上輸送手段への搭載の両方が可能な大型貨物ユニット「PUPA8801」の空力形状を開発したと発表した。

  • 「PUPA8801」の運用イメージ

「PUPA8801」には、では物流電動垂直離着陸機としての高い空力特性を、陸上輸送では標準パレット等の既存の陸送ユニットと共存する直方体に近い形状が求められている。

この課題解決に向け、ヤマトホールディングスはコンセプトモデルを企画。JAXAはこのコンセプトモデルに対して、世界最速レベルの流体解析ツール「FaSTAR(ファスター)」をはじめ数値シミュレーション技術を用いた解析を実施し、航空技術の知見に基づいた検証と形状改善提案を行った。

JAXAとヤマトホールディングスは従来の航空機の開発スキームにとらわれず、仮説構築と検証を迅速に繰り返し、他の流体解析ツールに比べて数倍～10倍程度高速なFaSTARを用いることで約4カ月で空陸両用のニーズを同時に満たす貨物ユニットの空力形状を開発し、成立性を実証したという。

ヤマトホールディングスは新たな空の輸送モード」の構築に向け、今回の成果を踏まえた具体的なサービス性検証を含むシステム開発を続け、2020年代前半までのサービス導入を目指す。