「新型コロナウイルス感染症は人口密度が高い都府県ほど感染拡大が続く期間や収束までの期間が長く、感染者数、死者数も増える傾向にある」。こうした分析結果を名古屋工業大学の研究グループが17日に発表した。これらの期間の長さに気温や湿度も影響することも分かり、データは今後の感染拡大防止対策の参考になりそうだ。

研究グループは名古屋工業大学・大学院工学研究科電気・機械工学専攻の平田晃正教授(先端医用物理・情報工学研究センター長)のほか、同専攻のゴメス・ホセ准教授、安在大祐准教授、小寺紗千子特任助教がメンバー。

平田教授らは、1日の新規感染者数の最大値が10人以上で、死亡者数の最大値が4人以上だった東京都、大阪府のほか茨城、群馬、千葉、神奈川、富山、石川、岐阜、愛知、京都、兵庫、福岡、沖縄各県の計14都府県を対象に、緊急事態宣言が全面解除された5月25日までのデータなどを基に、感染拡大と収束の期間がどのような因子と関係が深いかを分析した。すると、累積の感染者数や死者数は1平方キロメートル当たりの人口密度と明確な相関関係があった。

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    人口密度と累積感染者数との相関関係を示したグラフ(名古屋工業大学提供)

また、14都府県に埼玉、静岡、滋賀、広島、佐賀各県を加えた19都府県を対象に分析した。その結果、感染拡大と収束の期間は人口密度と強い相関関係があった。温度や湿度(絶対湿度)が同じ場合、例えば人口密度が約5倍になると、拡大と収束の期間が5日程度延びるという。このほか、気温や湿度という因子との相関関係もはっきりと出て、高温、多湿になると拡大と収束の期間が短くなる傾向があることも明らかになった。

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    人口密度と感染拡大・収束の期間との相関関係を示したグラフ(名古屋工業大学提供)

研究グループは人口密度と気温、湿度から、拡大と収束の期間を推定する独自の計算式(多変量解析数式)を作成し、実際の感染状況と比較照合した。すると、ほとんどの都府県でほぼ合致した。一部の県で一致しなかった理由として、3月ごろの海外からの帰国者やクラスター発生などの影響が挙げられるという。同グループは第2波が起きた際に拡大と収束の期間をある程度予測することが可能としている。

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    米国の患者から分離された新型コロナウイルスの電子顕微鏡画像(Credit: NIAID-RML)

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