11月12日(米国時間)、スーパーコンピュータ(スパコン)の処理性能ランキングである「TOP500」の2018年11月版が発表された。

52回目となる今回のTOP500は、前回に続き、米国オークリッジ国立研究所(ORNL)に設置され、2018年6月より稼動を開始したIBM製AIスーパーコンピュータ(スパコン)「Summit」がLINPACKのベンチマークスコアを前回の122,300PFlops(消費電力8.8MW)からさらに向上させた143.500PFlops(消費電力9.8MW)で1位を維持。2位にも、前回3位であったローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の「Sierra」が、LINPACKのベンチマークスコアを前回の71.610PFlopsから94.640PFlopsへと高めることでランクイン。米国勢の1、2フィニッシュを飾った。

  • ORNLに設置された「Summit」

    ORNLに設置された「Summit」 (出所:TOP500 Webサイト)

代わりに3位に後退したのは前々回まで4期連続(2016年6月版から2017年11月版まで)で首位の座にいた中国National Research Center of Parallel Computer Engineering & Technology(NRCPC)が開発し、National Supercomputing Center(Wuxi)に設置されているスパコン「Sunway TaihuLight(神威・太湖之光)」で、LINPACKのベンチマーク93.014PFLOPS/s(消費電力15.3MW)となっている。4位は、同じく中国のNational Super Computer Center in Guangzhouによる「Tianhe-2A」で、LINPACKのベンチマーク61.445PFlops(消費電力18.5MW)。5位には前回6位となっていたスイスSwiss National Supercomputing Centre(CSCS)の「Piz Daint」が前回の19.590PFlops(2.3MW)から21.230PFlops(2.4MW)へと引き上げられランクアップ。6位も、前回9位の米ロスアラモス国立研究所(LANL)とサンディア国立研究所(SNL)の「Trinity」が8.100PFlops(3.8MW)から20.159PFlops(7.6MW)へと性能向上を果たしランクアップを果たした。

代わりに前回5位だった日本の産業技術総合研究所(産総研)の「人工知能処理向け大規模・省電力クラウド基盤(ABCI:AI Bridging Cloud Infrastructure)」は、LINPACKベンチマーク19.880PFlops(1.6MW)と前回からの変化はなく7位に後退した。

8位には、独ライプニッツ研究センター(LRZ)に設置されたLenovo製のスパコン「SuperMUC-NG」が、LINPACKベンチマークスコア19.477PFlopsでランクイン。9位には前回7位の米ORNLの「Titan」(17.590PFlops、8.2MW)、10位には前回8位の米LLNLの「Sequoia」(17.173PFlops、7.9MW)がそれぞれランクインし、前回10位であった米国立エネルギー研究科学計算センター(NERSC)の「Cori」(14.015PFLOPS、3.94MW)は12位のトップ10圏外へと転落した(11位には米LLNLの「Lassen」が15.430PFlopsで入っている)。

今回のトップ10での顔ぶれは、順位こそ変動はあったものの、8位のSuperMUC-NGを除けば、前回もトップ10に入っていたシステムであり、大きな動きは見られなかった。SuperMUC-NGは、Xeon Platinum 8174を30万コア以上搭載したシステムで、2018年9月に稼動を開始した。

なお、日本の主なスパコンシステムの順位は、7位のABCIのほか、14位に東京大学(東大)-筑波大学の共同運用スパコンで、東大の柏キャンパスの最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC:Joint Center for Advanced High Performance Computing)に設置されている「Oakforest-PACS」(13.555PFlops、2.7MW)、18位に理化学研究所の「京コンピュータ」(10.510PFlops、12.7MW)、22位に東京工業大学の「TSUBAME3.0」(8.125PFLops、0.8MW)となっている。

  • 2018年11月に発表されたTOP500の上位10システムの一覧

    2018年11月に発表されたTOP500の上位10システムの一覧 (出所:TOP500 Webサイト)